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こんにちは。フルートインストラクターの辻です!
フルートサロン通信では、様々な情報を発信しております。
今回は「記譜音と実音について」です。
フルートは「C管」の楽器なので記譜音も実音も同じですが、他の管楽器ではそうでない楽器が多くございます。
記譜音と実音を理解し、移調をすることができるようになると、
他の楽器とのアンサンブルもより楽しめるようになると思います!!
記譜音と実音とは
記譜音:楽譜に記されている音
実 音:実際に音として鳴っている音
なぜ記譜音と実音というものがあるのか。
それは、運指(記譜)は「C(ド)」でも、音として鳴っている音が「F(ファ)」である、
という楽器があるからなのです。
管楽器をやられている方は、「F管」や「B♭管」などといった言葉を聞いたことがあると思います。
これらの楽器は、記譜音と実音とでは音が異なります。
例えばF管の場合、記譜音が「C(ド)」であるとき、実際には「F(ファ)」の音が鳴るという事を示しています。
このように、記譜音と実音で音が異なる楽器があるのです。
それらの楽器のことを移調楽器と言います。
ちなみに、フルートやオーボエなどは「C管」の楽器なので、記譜音も実音も同じ音になります。
では、吹奏楽でもよく使用される移調楽器の調を例に、記譜音と実音の関係をまとめてみましょう。
B♭管の場合
クラリネットやトランペットなどのB♭管で考えてみましょう。
例えば、
記譜音を「C(ド)」だとすると、実音は「B♭(シ♭)」になります。
この時、この二つの音程関係は長2度(半音2つ分)であり、実音は記譜音よりも長2度低いことになります。
E♭管の場合
アルトサックスやバリトンサックスなどのE♭管の楽器で考えてみましょう。
先ほど同様、記譜音が「C(ド)」の場合、実音は「E♭(ミ♭)」になります。
この時、この二つの音程関係は短3度(半音3つ分)であることがわかります。
※実際には、実音は下記の音よりも1オクターブ低いE♭が鳴っています。
「F管」や「A管」も同様に考える事が出来ます!
簡単に記譜音と実音の関係をまとめるとこのようになります。
調性 | 記譜音と実音の関係 | 記譜→実音 | 実音→記譜 |
---|---|---|---|
B♭管 | 長2度(半音2つ) | 下げる | 上げる |
F管 | 完全4度(半音5つ) | 上げる | 下げる |
E♭管 | 短3度(半音3つ) | 上げる | 下げる |
A管 | 短3度(半音3つ) | 下げる | 上げる |
ここで注意しなければならないのは、記譜音または実音から何度上げるのか、下げるのかです。
この表を見ると、E♭管もA管も記譜音と実音の関係は「短3度」ですが、
上げるのか下げるのかでは音が全く違うものになってしまいます。
この点を注意して移調をしてみましょう!
練習問題
<記譜音→実音>
①B♭管の場合、
記譜音が「F(ファ)」であるとき、実音は何の音になるでしょうか?
※解答はすぐ下にあります。
正解は、「E♭(ミ♭)」になります。

②E♭管の場合、
記譜音が「G(ソ)」であるとき、実音は何の音になるでしょうか?
※解答はすぐ下にあります。
正解は、「B♭(シ♭)」になります。

<実音→記譜音>
①B♭管の場合、
実音が「E(ミ)」であるとき、記譜音は何の音になるでしょうか?
※解答はすぐ下にあります。
正解は、「F#(ファ#)」になります。

②F管の場合、
実音が「A(ラ)」であるとき、記譜音は何の音になるでしょうか?
※解答はすぐ下にあります。
正解は、「E(ミ)」になります。

応用~移調編~
ピアノ譜などのメロディを各楽器で演奏するときは、その楽器用に移調しなければなりません。
ですので、実音→記譜音にしていきます。
メロディ譜(実音)をアルトサックス譜面にしてみましょう。

こちらの譜面は、エルガーの愛の挨拶冒頭のメロディ部分を簡易的に譜面に表したものです。
ここからアルトサックス譜面用に移調します。
実音から記譜音にする作業なので、これら全ての音を短3度(半音3つ分)下げていきます。
そうすると下記のような譜面になります。

移調はこれでもできていますが、更に見やすいように調号も整えると、、↓↓

元がニ長調(D)の譜面なので、こちらも同様短3度下げまして、
ロ長調(B)の譜面にするとよりすっきりして見やすくなりました!
管楽器には移調楽器が多いので、記譜音と実音の関係を覚えておくとアンサンブルなどに役に立つと思います!
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