~グランピアノ選びの基本~ピアノ演奏歴30年以上の専門スタッフが解説します!

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2022年08月14日

島村楽器広島府中店専属ピアノ上級アドバイザーの原田です。ピアノを演奏する人ならいつかは欲しい、憧れのグランドピアノ。「何がどう違うの?」「一般家庭にも設置できる?」基本的な内容を解説いたします。特に、コンクール対策や、受験対策、ピアノの先生ご自身の購入でのご来店が多い当店。そうした皆様と長年お話して […]

島村楽器広島府中店専属ピアノ上級アドバイザーの原田です。
ピアノを演奏する人ならいつかは欲しい、憧れのグランドピアノ。
「何がどう違うの?」「一般家庭にも設置できる?」基本的な内容を解説いたします。
特に、コンクール対策や、受験対策、ピアノの先生ご自身の購入でのご来店が多い当店。そうした皆様と長年お話してきた経験に加え、私自身も、現在もほぼ毎年ピアノのコンクールに参加しておりますので、どういったピアノでの練習が必要か、実体験も交えながらご案内いたします。

①グランドピアノは一般家庭にも設置できる?

床は大丈夫?必要な広さは?

グランドピアノは、一般的な家庭用の品番(C3サイズ)で重量が320㎏ほど。現在の建築基準法で建てられている一軒家の1階や、マンションであれば、重量はまず問題ありません。搬入経路にもよりますが、小型であれば四畳半にでも設置が可能です。

音の大きさは?

 一軒家や、楽器可のマンションにお住いの方は、基本的にそのまま設置されています。お届けの際に玄関ドアの外から聞かれて、「意外にあまり聞こえないんですね!」とおっしゃる方がほとんどです。
 一番手軽な防音対策は、屋根をすべて閉じて、上に譜面台を置く方法。また、後付けでの弱音装置など、音が気になる環境にお住いの方へは色々と方法をご用意しています。

②サイズによる違い

サイズはどう違う?

多くが横(間口)は150㎝台ですが、奥行きがそれぞれ異なります。奥行き150㎝ほどの「ミニグランド」から、コンサートホールで演奏する奥行き270㎝超えの「コンサートグランド」まで、実にさまざま。こちらの図はヤマハのグランドピアノ用カタログに掲載されている一覧ですが、ヤマハに限らずカワイやスタインウェイなど、他のブランドでも同様です。
奥行きが長くなると、響板面積が増え、弦(特に低音弦)の長さが長くなり、鍵盤奥行きも長くなります。また、価格も高価になります。

演奏者にとって何が変わる?

「いくら小さくてもグランドピアノはグランドピアノ!」と思われる方も多いですが、基本的には大きいピアノで練習することが、グランドピアノの練習で得られる本来の効果が得られます。大きなサイズのピアノになると、①低音がかなり出る②鍵盤が細かい動きをするので、粗が出やすい(=慣れれば様々な音色をコントロールできる)というポイントがあります。
 よくコンクール等で「メロディとバスのバランスが悪い」「音を整理して」と講評に書かれる方は、本番で使用する大きなサイズのピアノに慣れていないことが理由として考えられます。
 そのため、上達に繋がるおすすめは「お部屋に置けるなるべく大きいサイズを選ぶこと」。一般家庭で最も人気のサイズは、奥行180㎝台です。

②新品・中古による違い

新品は自分の好みの音色を作り上げていく楽しみがあるので、じっくり愛用したい方におすすめ。中古は既に完成された音色・タッチのため、即戦力としてピアノを使用したい方におすすめ。また、新品と比べて調律も安定しています。
当店では、お客様の多くが、コンクールに挑戦されている方や、受験生さん、ピアノの先生といった、即戦力として使えるピアノを探されているため、グランドピアノは中古を中心に展示しています。
なお、中古でも年代が浅い物になるほど価格が新品に近づきますが、スタインウェイなど輸入ピアノは古い年代でも国産新品よりも高価です。

③メーカーによる違い

メーカーごとに設計が異なるのは確かですが、ピアノ1台1台に個性があり、音色・タッチの違いがありますので、メーカーに絞る必要はありません。本番でどんなピアノと出会っても、すぐに対応できる技術力を身につけるには、スムーズな鍵盤タッチ&幅広い強弱・音色の種類を持つピアノで練習しておくことが大切です。
(もちろん、国産ピアノとは価格帯の異なる輸入ピアノは、造りの違いからまた違う音・タッチが得られることは間違いありません)

④個体差での違い

グランドピアノは電化製品ではないため、一台一台個性が異なります。誰かにとって弾きやすいピアノが、あなた自身にとって弾きやすいとは限りません。これからずっと大切に使用して頂く念願のグランドピアノは、今ご自身が弾いてみて、「自分の弾きたいことを素直に表現できるか」を大切にお選びください。また、ご家族の方は、毎日聴いても心地良い音色か、ぜひ一緒に音を聴いてみてください。

⑤まとめ

 グランドピアノを選ぶ際は、「可能な限り奥行きが大きいサイズ」で、かつメーカーを絞らず様々なピアノを弾き比べて、自分にとって弾きやすい鍵盤と、表現したい強弱や音色の変化をスムーズにできるピアノであることが一番大切です。また、コンクールや受験対策の方は、中古ピアノで選ばれる方が大変多いです。
 ぜひ当店でご試弾頂けますよう、ご来店をお待ちしております。
 

※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。