効果バツグン!演奏者にオススメの“楽器上達筋”トレーニング講座

楽器を思い通りに弾くために、日々練習を行う演奏者たち。中には楽器の練習をするだけでなく、「筋トレ」「ストレッチ」など、“身体のトレーニング”を練習メニューとして挙げる人も多く見かけます。

でも、「筋トレをしたことがないから、できなさそう」「実際にやるとなると大掛かりで大変そう」などと思わず身構えがち…。そこで今回は、普段から運動しない人でも行えるトレーニングを、プロのトレーナーに伺ってきました!

教えてくださるのはこの方!

朝倉 未菜(あさくら みな) Instagram:https://www.instagram.com/___mi37na/

15歳で芸能界デビュー。大手企業のCM出演や、スポーツ番組のキャスター、舞台などマルチに活躍。2020年より「美vid」パーソナルトレーナーに。トレーナーとしては、クラシックバレエで培った“魅せる身体の作り方・使い方”を提供している。
美vid
30年以上の歴史と2,000 名以上のパーソナルトレーナーの養成実績を持つ、オアシスが運営するパーソナルトレーナー養成機関「OASIS Personal Trainer Academy」を卒業した俳優パーソナルトレーナー集団。「一人一人のニーズと魅力を把握し、ワークアウトに“とにかく楽しい”を取り入れ、目標達成に導く」プログラムを提供している。

楽器演奏は“ほとんど全身運動”

――朝倉さん、今日はよろしくお願いします!楽器演奏において、筋トレやストレッチはどういった効果があるのでしょうか?

朝倉さん:私自身はピアノを習っていた経験があるんですが、腕や足をはじめ、意外と全身を使って演奏するんですよね。また、基本的にずっと同じ体勢で演奏を行うので、肩こりや腰痛に繋がりやすいんです。

――言われてみれば、たしかに…。演奏した後の疲れは「筋肉の疲れ」でもあるんですね。

朝倉さん:ある程度の筋肉を付けたり、ストレッチを行うことで、そういった疲れも取れやすくなります。演奏に大事な「姿勢」、必要なスタミナも付くので、トレーニングはとってもオススメですよ。

――恥ずかしい話なんですが…私は運動音痴なんです。それでも問題ないでしょうか?

朝倉さん:大丈夫です!アスリートみたいな筋トレやストレッチをイメージされる方も多いですが、手軽にできるトレーニングはたくさんあります。今回はそういったものをレクチャーしていきますので安心してください!

爽やかな笑顔で受け答えする朝倉さん

運動が苦手でも気軽にできるとお話いただき、私でもなんだかできそうな気がしてきました…!
というわけで今回は、「ドラム」「管楽器」「ピアノ」にぴったりなトレーニングについて伺いました!

ドラム演奏に効果アリ!筋トレの定番「スクワット」

――ドラムの演奏は、姿勢をキープする背中の筋肉が重要になるんですが…。

朝倉さん:それなら、背中の筋肉である「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」にも効果がある「スクワット」ですね。実は全身を使った筋トレで、筋肉の持久力(スタミナ)も付き、非常にオススメです。

【Point】

1. 足は「肩幅より少し開く」
足は肩幅よりも少し開き、つま先も少し外に開いた状態で行いましょう。できれば、鏡を見ながらやるのがベストです!

2. 股関節、膝関節、足首の3つを同時に動かす。
太ももが床とちょうど平行になるように、お尻も意識しながら身体を落とします。その時に、股関節、膝関節、足首の3つを同時に動かし、つま先よりも膝が前に出ないようにしましょう。

3. 動きは.ゆっくり。
落とす/戻す動作はゆっくり行うことが大事です。スピードが早いと、太ももだけに筋肉が付いてしまうので、注意しましょう。

管楽器奏者にぴったり!肺活量を鍛えるトレーニング「ドローイン」

――管楽器は、なんといっても肺活量がとても大事になります。

朝倉さん:それには、肺活量を鍛えるトレーニングにぴったりな「ドローイン」がいいですね!

【Point】

1. 「腹式呼吸」を意識する。
鼻から大きく息を吸って、おなかを風船のように膨らませます。口から息を吐きながらお腹をへこませ、完全に息を吐ききります。その時に、下腹部に力が入っているかを手で触って確認してみましょう。

2. 必ず寝た状態で行う。
「立った状態」だと、胸を使う呼吸(胸式呼吸)になるため、自然と腹式呼吸になる「寝た状態」で行いましょう。身体は脱力させて、膝はしっかり立てて行ってください。

固くなる下半身に!ピアノ演奏者におすすめな「4つのストレッチ」

――ピアノは座っている時間が多いので、お尻や足が疲れやすいです。

朝倉さん:では、太ももやお尻をほぐすストレッチをお伝えしましょう!ストレッチは、呼吸が止まらないように。脱力しながら、ゆっくり・じっくりやってくださいね。

1.【太ももの裏(ハムストリング)のストレッチ】

両膝は必ず伸ばし、足を上げきって5秒キープ。つま先はしっかり自分の方向に。

2.【おしりのストレッチ】

足首を片膝にかけ、足を胸に近づける。おしりの筋肉をしっかり伸ばすのが大事。

3.【太ももの付け根(腸腰筋)のストレッチ】

上半身は少し前傾を保ったまま、ももの前を伸ばす。

4.【太ももの前(大腿直筋)のストレッチ】

片膝立ちの状態から、後ろ側の足を持っておしりに引き寄せる。持った足首はゆっくり引き寄せること。

朝倉さん:さらにもう一つ!体幹トレーニングもお伝えします。体幹は、どんな演奏者にも大事な「姿勢」に繋がるのでぜひやってみてください!

――(朝倉さん、スイッチが入ってる!)ぜひお願いします!

全ての演奏者にオススメ!体幹トレーニング「プランク」

【Point】

1. 上半身の位置
肩の真下にヒジが来るようにし、首は床を見るイメージで。呼吸は浅く行いましょう。

2. 下半身の意識
足は真後ろにピンと伸ばして、おしりを平行に保つように心がけましょう。腰痛をお持ちの方はほんの少しお尻を上げてもOK。

身体を意識をするだけでも立派な“トレーニング”

バランスボールに乗って楽しそうな様子の朝倉さん

――たくさん教えていただきありがとうございました!まずは、続けられそうなトレーニングから始めようと思います。

朝倉さん:そうですね。いきなり身体を鍛えようとしてがっつりメニューを組んでやると、絶対続かないんですよ(笑)。最初は、「歯磨きしながらスクワットする」など、“ながらトレーニング”が良いと思います。

――スクワット10回やらないと、歯磨きを終わらせられない!みたいな。

朝倉さん:トレーニングは中々大変なものなので、そうやって自分のペースでコツコツやることが大事ですね。毎日トレーニングすると、「自分がどこの筋肉を使っているか」などを意識するようになってきます。身体を意識をするだけでも立派なトレーニングになるので、まずは気軽に取り組んでみてください!

撮影ご協力

RAFEEL恵比寿店

「本番に向けて、整える」特集について

たくさん練習をしてついに迎えるライブや発表会!本番に向けて、演奏スキル以外の準備もしてみては?大事な場面で緊張しない方法、演奏に効果がある筋トレ、ちょっとした身だしなみなど、あなたの演奏をさらに良くするヒントがきっと見つかるはず。

この記事を書いた人

ツダセイジ

幅広い分野で活動するライター/エディター。幼少期にピアノ、学生時代はバンド経験アリ。