録れコン 2007 国籍・性別・年齢・ジャンル不問 オリジナル楽曲録音作品大募集

リプロダクションレポート 2007

2007年5月12日(土) 録れコン2007 グランプリ「ichi-mugen」さんのリプロダクションが、レコーディングエンジニア:鎌田岳彦・中澤智 両氏の協力のもと、東京港区麻布台にあるスタジオ「Sound City」Astにて行なわれました。

今回のリプロダクションは、ichi-mugenさんとの事前打ち合わせにおいて「ミックスダウン時にサビの部分が飽和してしまいバランスなどが難しかった」「ギター・ボーカルなど録り直しできれば」とのリクエストがありました。

その要望を元に、事前の打ち合わせから当日の模様まで、動画を交えてレポートをお届けします!

打ち合わせ

打ち合わせ_1打ち合わせ_2

鎌田氏のプライベートスタジオfoxyroom(坂本龍一氏との共演でも知られるニューヨークの鬼才アートリンゼイ氏命名)にて打ち合わせ。

鎌田氏・中澤氏と共に内容の検証。(ichi-mugenさんより届けられたBOSS BR1180 MTRデータは事前に中澤氏によりPro Toolsに取り込み済)

鎌田氏の言葉にもあるように(鎌田氏レポート)オリジナルのマルチトラックは「このトラックでしかありえない完成形」の状態でした。

打ち合わせ_4打ち合わせ_3

ichi-mugenさんとの打ち合わせ段階では「録音作業に入る前に、同じ素材をプロが料理するとどうなるか?」のデモンストレーションを実機(BR1180)にて行い、自宅での作業のヒントを掴んでもらおうと考えていました。

しかし、マスター音源の確認を進めるに従い、「録り方のヒント」や「使い方のヒント」となるような説明をする方が、今後のご本人の為にもなるのでは?との意見で一致。その部分は中澤氏の担当となりました。(中澤氏テキスト)

また、ミックスダウンの段階に入ってからの解説(ミックスは黙々と作業している状態が何時間か続きます。その作業工程を中澤氏よりichi-mugenさんに解説いただきながら質疑応答)も担当していただくことに。

鎌田氏には当日までにベーストラックのタイミング・音色調整と、録音・ミックスダウンを担当していただくことに。

キーボーディスト(稲垣 雅紀氏)へのオファーから、録音に使うマイクやHAの選定・進行の打ち合わせなど、詳細なスケジュール組みをして、当日に備えます。

さぁ、この元の音源がどうかわるか?

元の音源を再生する

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いよいよスタジオへ

スタジオの様子_1スタジオの様子_2スタジオの様子_3

リプロダクション当日。
作業を行うのは「Sound City」のAst。
このスタジオは日本のレコーディングスタジオの中でも最大級の広さを誇る規模。コンソールはSSL、DAWはPro Toolsとスタジオ設備としても世界標準の仕様。関係各位のご尽力により、最高の環境での作業となりました。

まずはモニタースピーカーなどを、エンジニアの好みにセッティング。

そして鎌田氏所有のヴィンテージ機材(NEVE1073-ビートルズの時代から使われている銘記)のセッティングなど着々と準備は進みます。

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リプロダクションスタート

リプロダクションスタート_1リプロダクションスタート_2リプロダクションスタート_3

まずは本人使用の機材を使い、モニター環境(自宅との聴こえ方の違い)のチェックから。

ichi-mugenさんは通常ヘッドフォンでの作業がメインだそうですが、聞こえる印象はあまり違わないようでした。

そして各トラックをモニターしながらの解説。 ご本人の知らない使い方(プロならではの活用法など)や使用上の注意点など、ichi-mugenさんも「えっ!?」を連発です!

リプロダクションスタート_4

さらには実際にマイクを使い、入力レベルの設定の仕方(歪んでしまうポイントの探し方)の解説。
同時にコンプレッサーの掛け具合(ここでも歪みに対する回避策も伝授)など、お役立ち情報満載のスタートとなりました。
鎌田氏テキスト参照中澤氏テキスト参照

その後キーボードダビングまでの時間を使い、鎌田氏も交えアナログ・デジタルの違いの話からPro Toolsの解説、シンバルの音の差し替えなど、内容の濃い時間が過ぎていきます。

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オルガンダビング

オルガンダビング_1オルガンダビング_2オルガンダビング_3

キーボーディスト稲垣 雅紀氏のオルガンセッティングも終え、いよいよダビングスタート。

まずは雰囲気を掴んでもらう為に、全編を聴いてみるところから・・・・・
軽い打ち合わせの後、さっそく録音スタート。

一音一音積み重なるごとに、オリジナルの楽曲が見る見るパワーアップしていきます。

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エレピダビング

エレピダビング_1エレピダビング_2エレピダビング_3

マニアにはたまない!ローズが二台も・・・・・

お隣のスタジオ(Bst)に設置の一台も運び込み、曲のイメージに近い方をチョイス。なんとも贅沢!!!

エレピダビング_4エレピダビング_5エレピダビング_6

当初は全編に入っているエレピの差し替えも考えていましたが、オリジナルの存在感は曲を支配しており、録音してみましたがしっくりハマリませんでした。

そこで鎌田氏のレポートにもあるように、中間部分のスペイシーなパートへ。

正にプロの制作現場!作品を良くするために、その場その場で様々なアイディアが飛び交い、思いもよらない方向にも発展していきます。

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アコギダビング

アコギダビング_1アコギダビング_2アコギダビング_3

いよいよご本人の出番です!まずはアコギの差し替えから。

二本のギターを準備し、フレーズ(カッティング・リフ)毎にチョイス。

ここでも鎌田氏所有のヴィンテージマイク。ノイマンKM-56 Tubeを使用。

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エレキダビング

エレキダビング_1エレキダビング_2エレキダビング_3

続いてはエレキのダビング。

レコーディング独特の雰囲気にも馴れ、ichi-mugenさんのペースも上がってきました。

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ヴォーカル&コーラスダビング

ヴォーカル&コーラスダビング_1ヴォーカル&コーラスダビング_2ヴォーカル&コーラスダビング_3

そして本日のメインの1つ、ボーカルダビングへ。

ここで使われるマイクも鎌田氏所有のヴィンテージもの。テレフンケンU-47 Tube。

これもかなり古いマイク(もしかしたら60〜70年代の大物達の息吹を受け止めた一品かも!)。

しかも状態はすごく良く、ichi-mugenさんのグルーヴィーな歌声にとてもマッチしています。

ボーカル〜コーラスパートまで、数十のテイクを疲れも見せずに歌い込みます。

ichi-mugenさん、名前の通り無限の力を見せ付けてくれました。

コーラスパートの後はスタジオ内のスタッフ総出でクラップの録音(取材に来ていたデジレコ編集長の三谷さん、鈴木よういち氏にもご協力いただきました)。

残すはミックスダウンのみとなりました。

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ミックスダウン

ミックスダウン_1ミックスダウン_2ミックスダウン_3

作業開始から8時間、どうにかミックスダウンまでこぎつけました。

ここからしばらくは鎌田氏の独壇場!データのトリートメントから各トラックの微調整まで、延々と曲が繰り返されるだけの黙々とした中、キーボードが叩かれマウスが動き回ります。


ミックスダウン_4ミックスダウン_5ミックスダウン_6

その作業状況を中澤氏が逐一解説!!!!

音作りの考え方や変化の過程を目の当たりにし、真剣な眼差しで画面に食い入るichi-mugenさん。


ミックスダウン_7ミックスダウン_8ミックスダウン_9

BR1180で8chにまとめられていたトラックも、パート・音色で分けると画面上はこのようになります。

この各パートの一つ一つを、音量・定位・音色・エフェクトなど細かく決めていきます。

(ichi-mugenさん達が見つめているのは、細かく絶妙に書かれたボーカルパートのヴォリュームデータです)

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クライマックス

クライマックス_1クライマックス_2

ミックス開始から数時間(ミックスダウン時のやり取りなどは、鎌田氏メッセージ)、完成形をラジカセで最終確認。スタジオモニターでなく、一般的な音楽再生装置で確認することで、低音感や全体のバランスが再現されているか、重要なポイントです。

馴れない長時間のスタジオ作業にも疲れを見せず、真剣に聴き入るichi-mugenさん。

お疲れ様でした・・・・・・・・・・・

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リプロダクションを終えて

リプロダクションを終えて

リプロダクションと聞いて、事前に打ち合わせはしたものの、実際には何をするのか右も左も分からない状態で参加させていただきましたが、気が付けばあっという間の一日でした。1番感じたことは一言で、「音楽は無限大だ」ということです。今までは一つの楽曲を一人で手掛けるというだけでしたが、沢山の人とともに試行錯誤し、いろんな感情が交差して生まれる新しいものが羽ばたく瞬間の素晴らしさを初めて知りました。

まず、ベースやドラムの手直しを、今までは気付かなかったり、気付いていてもあきらめていたりしていましたが、一つ一つ細かくやっていただきました。機材の可能性もありますが、奥深くレコーディング媒体を探れば、まだまだできることはあるんだな、と実感しました。波形による編集など、理解しがたいものと考えていましたが、意外と難しくなく、逆に楽しくてハマってしまいそうです。リズム隊を修正し、音が重なる部分の音量調整、秒単位での編集、聴かせる音、既に頭の中で聴こえている音の分析により、飽和していた音に一体感が生まれました。それは今まで自分が一番悩んでいた部分だったので、これからのレコーディングでもとてもためになる知識になったと思います。ピアノ、ギター、ボーカルのレコーディング時もゾクゾクするくらい感激しました。皆さんで原曲に合わせて案を出し合い、何度も録り直し、ストックを繰り返し、じっくりベストなソースを探ってゆく作業において、一人で思案するよりもスケールが広がってゆくことを体感しました。そしてPCにより編集した内容を一度卓を通して音を出す、デジタルからアナログへの道程も詳しく教えていただき、その細かい波を一つの暖流にまとめて流れてくる曲にミックスダウンの神髄をひしひしと感じました。

こうして、何ごとも一つ一つの作業、一人一人の試行錯誤が積み重なって生まれてゆくって素晴らしいことだなと思います。音楽だけでなく、どんな作品もそうだと思います。たくさんの人が携わって、何かが生まれてゆくこと。これからも大切に心に刻み込んで生きてゆきたいです。僕はこれからまた音楽を一人で作ることを続けてゆくだろうと思いますが、そこには聴いてくれる人や感想をくれる人、曲を聴かなくても僕に言葉をくれる人、僕を想ってくれる人、僕が想う人、ただすれ違う人、出逢うことのない人、きっとその全てが入ってゆくのでしょう。想いは、想像は無限です。そこからまた僕は音楽を通して創造して何かを作ってゆきます。みんなこの世界に生きている人は、そうなんだろうな。

そんなことを実感できた、貴重な体験でした。レコーディングに携わったエンジニアの方々、スタッフの方々、そして僕が想いを伝たえたい方々、僕に想いを届けてくれる方々、僕の知らない世界のどこかで頑張っている方々、みなさんに感謝します。どうもありがとうございました。

ichi-mugen

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リプロダクション後の音源はこちら! 元の音源と聴き比べてみて下さい。

元の音源を再生する

リプロダクション
後の音源を再生する
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鎌田 岳彦氏によるレポートとメッセージ

鎌田 岳彦氏

(鎌田 岳彦氏レポート)

今回の受賞の"Best of Feelin’"

実は審査の段階から、このワームなサウンドは「狙って作り出しているのか…」と予想していました。「トータルエフェクトで、思いっきり個性的に処理しているのかな」と。

オリジナルのトラッキングをバラバラの音源で聞かせてもらったところ、全トラックが皆同じ様な音質になっていて、録音の段階でもう既にこのサウンド!
「ムムム…これは…」録音時偶然(必ずしも狙ったわけではなく)このトラッキングになってしまったようです!

しかも、全チャンネルがモノの見事に歪んでいる!
これではミックスし直しても、ほとんど同じようなことになるかな〜!完全に想定外でした。
スタジオでの作業の前のスタッフ打合せで「幾つかのトラックの再録音をすると、全体のワームなサウンドやパワー感が失われてしまうのでは?」との意見から、急遽パワフルなオルガンを新たに加える事に。

レコーディングスケジュールは、スタジオに入る前の段階でドラムとベースのズレを修正(乗り・グルーブを整える)。当日スタジオでの録音は、オルガン→Epf→AG/EG→Vo/Cho…との流れ。
Epfは、曲中に入っているフレーズを差し替える予定でしたが、余りにも存在感の有るフレーズ・音質だったので、予定変更!オリジナルトラックをそのまま使い、中間部のムードを思いっきり変える重要な"ピース"として、新たに加えることに。
ギター・ボーカルと予想よりも時間が掛かっしまいましたが、何とか無事録音。最後に、ラストのムードをより高める"スパイス"になるようにと、スタジオに居たスタッフ総出でクラップのダビング。
これで全ての録音が終了。ミックスダウンに!

さて、オリジナルのトラックを含めて、パート毎にトラック分けをしたところ…なんと、40ch程のトラック数になっていました。<BOSS BR1180>によくこれだけの音が詰まっていた事か(オリジナルは楽器5ch・ボーカル3ch。合計8ch)。
なにしろボーカル・コーラストラックが凄い数でした(15ch)。ミックスでは、オリジナルトラックの"グルーブ"を揃える事、新たに取り直したトラックとの融合が一番大変でした。
また、全体の歪み感を払拭して、よりレンジの広いサウンドの中にパワフルなボーカルが…狙い通りにはなかなか纏まらず四苦八苦しましたが、何とか無事ミックスも終了!

時間的制約の中での作業でしたが、楽しいレコーディングができた事と思います。パワフルなボーカル・歌詞の聞こえ方や、オルガン・Epf 等新たに追加したトラック、アレンジの変更等でイメージが随分変化したかと思いますが、いかがかな!

(鎌田 岳彦氏テキスト)

<歪みについて>
録音技術の歴史は、アコースティックな音(生の楽器の音)の録音時に、低域から中域・高域、大きな音から、小さな音にいたるまで、いかに損なわれないように録音できるかのせめぎ合いでした。
アナログテープレコーダー主流の時代には、ダイナミックレンジを確保するためにノイズリダクション等の技術、より大きな音量を録音できるテープ(磁性体)の開発も盛んに行われていました。
プロの録音は、小さすぎず・大きすぎず(ノイズに埋もれる・音が歪む)録音する事が、最低条件な仕事だったわ けです。
HiFi(ハイファイ)という言葉は"音が綺麗"というよりは、より"リアル"な音を目指していた考え方です。現在のデジタル化はそういう流れですね。

録音での歪みとは過大入力時に起こる事で、マイクロホン(楽器の音量が大きすぎる・マイクが近すぎる)・マイクアンプ・イコライザー(回路の能力以上の入力)・テープレコーダー(テープの飽和)等々、本来トラブルが起きている状況です。
当然ですが、音量がより大きくなると歪み具合もどんどんエスカレートするわけです。
ただしプロ用に機器(特に最近の機器)の多くは、そう簡単に歪まないような設計になっていて、歪み方も機種によって様々です。

真空管やFETを使った、いわゆるビンテージといわれる機器は、歪み始め→完全な歪みまでのサウンドの変化が、とても魅力的な音になる事もあり、現在も世界中で重宝視されています。
とはいうものの、古い機材なのでコンディションを保つ等メンテナンスが大変なのと、レベル設定が凄く微妙なので扱うには技術と経験が必要ですね。
まあ、当然ですがコンソールには"歪みというスイッチやノブ"なんてないですから(笑)。
一概には言えませんが、中域・低域で起こる歪みは比較的"パワフルで、ガッツ"ある歪みですが、高域で歪むとヒステリックに感じることが多く、民製機のインプットでは比較的高域で歪むので"うるさい音"になりがちです。
また、一度歪んだ音で録音してしまったら、後戻りはできませんからね!

リプロダクションを終えた三名

現在は、とても手軽に録音ができる時代です。
しかもデジタル化されている現在、各種シミュレートでの歪みが比較的簡単にできるようにもなっています。
ビンテージの機器やテープレコーダー・ギターアンプやコンパクトエフェクター等々選ぶ事ができますから、歪み具合をコントロールして音作りをしては!

(鎌田 岳彦氏リプロダクションを終えてメッセージ)

"Best of Feelin’"は"ichi-mugen"さんが、一人で録音・ダビング・ミックスして作った作品。リプロダクションでは"ichi-mugen"さん・私を含め、数多くのスタッフの意見・アイディアが交換され、実際に音を出しながらベストなトラッキングをしていく作業となるわけです。

当然ですが採用にならなず、"ボツ"になった数々のアイディアや楽器・テイクがたくさんあります。録音の現場では、プラモデルやジグソーパズルのように、完成図や設計図・全てのピースが揃った状況で組み立てるのではなく、その現場(スタジオ)で"材質・材料"を選び、"削り出し""磨き上げる"作業です。また、質感・風合い・広がり感・奥行き感・温度感・透明度…幾つもの選択肢の中から、一つ一つを決めて行く作業工程です。
複数の人達と"イメージ"→"サウンド"→"音楽"、にしていく作業では、当然意見の違いや好みなど、必ずしも皆のイメージと合致する"音"が出るとは限りません。
とは言うものの、その辺りのコミュニケーション"バトル"もスタジオ録音の"醍醐味"です。"アイディア・フレーズ・サウンド・プレー"の"感性"の火花が衝突・飛び交う中で、一つの楽曲が生まれ・形になっていく。今回は、少なからず味わえた事と思います。

"ichi-mugen"の歌詞・メロディー・唄は個性的で、個人的にも大好きです。他の作品も含めて今後の作品も楽しみですね。また、知り合い・友人以外の、音楽ジャンルや世代を超えた人達との録音は、"音楽性・考え方・物の見方感じ方…"など一人の作業では味わえない発見が多いので、大いに経験した方が音楽・表現の深み・広がり…大切な事だと思いますよ。今後の活躍を楽しみに!

<レコーディング・エンジニア : 鎌田 岳彦>

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中澤 智氏によるテキストとメッセージ

中澤 智氏

(中澤 智氏テキスト)

BOSS BR-1180によるレコーディング検証(リプロダクション当日のメニュー)

  1. スタジオモニター(YAMAHA 10M STUDIO)にて、ichi-mugenさんの作品を試聴してみる。
    • 自宅との印象の違いを確かめる。
    • ichi-mugenさんの録音モニターシステムも確認。
  1. 各トラックの音(録音状態)を確認する。
    • 印象を聞いてみる。(意図していた感じか?)
    • ichi-mugenさんの録音モニターシステムも確認。
  1. 分析
    • 特にヴォーカル、キーボートの歪み(ヘッドアンプゲイン、録音レベルのオーバー)
    • ベース,キーボードのタイミング
    • ドラムの音色
    • アコースティック,エレキギター,ベースの音色
    等、すべてになってしまったが、決してこれらがいけない訳ではなく、 結果として、上記にあげた項目がichi-mugenさんのミックスより、「Best of Feelin'」がよい作品として完成しいていると思う。
    全体に歪みの多いサウンドだが、それにより力強さ、荒々しさを感じ、非常に好感がもてる。
    しかしながら、レコーディングという観点から見るとMTRの使用方法により改善の余地がありそうである。
  1. BR-1180によるレコーディングの注意点
    このコーナーではichi-mugenさんより、事前に聞いていた「サビの飽和感の解消法」を、BR-1180により検証したいと思う。
    原因の一つとして、「録音レベルオーバーによる歪み」が考えられる。
    今回のトラックすべてに感じられる事であるが、特にサビのダイナミックスが大きいセクションで、歪みによる倍音成分が重なり、飽和感が生まれている。よってサウンドの立体感が損なわれている感じを受ける。
    MTRにおけるレコーディングの第一歩はヘッドアンプ(プリアンプとも言う)によるレベル設定が基本である。
    実機により、検証しいたいと思う。
    BR-1180は便利な機能があり、録音時に簡単にコンプやEQのつけ録り出来るよう、プリセットが用意されている。
    しかしながら、ゲインのPeakインジケーター・インプットメーターの視覚的な確認だけでは、今回のように歪みが出る危険性がかなり大きい。その一方、コンプに関してはメーターがない。
    よって、録音レベル、コンプのかかり具合は完全に耳がたよりになる。(プロでも経験が必要!)
    また、今回のトラックのように歪みがあるトラックに対してのダビングとなると、さらに録音状態が判りにくい。
    使い方を注意すれば問題ないのでいろいろとトライしてほしい。※このポイントは実際にレクチャー
    また、モニター環境によって歪みが判りにくい場合がある。
    ある程度の製品でのモニターシステムをおすすめしたい。(ちなみにヘッドホンでの大音量でのモニターはこの類の歪みは判りにくい)

    今後の作業での、BR-1180使用するにあたって注意点を少しあげたい。
    • ディスプレイのメーターをプリフェーダーにした方がよいと思う。(システム設定)
      実際に録音されているレベルが見れるので、レベルオーバーを確認しやすい。
    • マスタリングエフェクトが機能として装備されているが、これもメーターがないのでコンプのかけ過ぎ、マスターへのレベルの送りすぎに注意!
    • ソングのフォーマットだが、リニアタイプをすすめる。(ichi-mugenさんは圧縮タイプを使っていた)
      実際に検証していないが、これによりレンジが広くなるでしょう。
    • バックアップのすすめ。
      リニアタイプを使用する事によりハードディスクの容量は今までより減ってしまうが、ハードディスクレコーディングの基本であるバックアップをきちんと取れば問題ないでしょう。BR-1180はソングごとに取った方がよい。ハードディスクに残ったゴミデータを消す方法は、BR-1180はハードディスクのイニシャライズしかないので。(ソングごとのゴミは消去出来る)また、イニシャライズにより、ハードディスクのスピードアップにもつながる。
    • ソングのテンポ管理を勧めます。 編集が楽!(ichi-mugenさんのようなフリーランでもテンポ設定が出来る。)
    • 常にどこかのチャンネルのRECランプが点いていて 消えない。対策はありません。作業中RECボタンを押さないように注意!(自分は何回も失敗した。笑)
  1. まとめ
    今回はあくまでもMTRにおけるレベル設定(歪み防止)の説明をしましたが、歪みは決して悪いものだけではありません。
    歪みと言ってもたくさんの種類があり(ディストーションギターも歪み-当たり前か!)音圧を上げるためや、ガッツな音を作るためなど、本当にいろいろな歪みがあり、また解釈も人それぞれ。
    音楽を作るにあたり決まり事はないので、自分らしくカッコいいサウンドを目指し、試行錯誤してください。(自分も日々その連続)

    上記、3.分析 で上げたほかの項目についてもエンジニアの鎌田氏より説明があると思うので参考にしてください。※鎌田氏テキスト参照   

    また、本日はPro Toolsというハードディスクレコーダーの作業になり、マッキントッシュのコンピューターで動作します。BR-1180との違いも確かめてみてください。(便利ですよー)
    他にはアナログコンソール SSL G+、鎌田氏所有のかなり貴重なビンテージ機材、島村楽器さんよりのスペシャルギター等、はじめての物ばかりだと思います。

    プロのスタジオ、スタッフ、またサポートのキーボードの方もいらしゃいますが、 楽しんで、New version 「Best of Feelin'」を、体験してください。
    では、Let' Recording!

(中澤 智氏リプロダクションを終えてメッセージ)

今回私は、リプロダクション前にichi-mugenさんと共に本人所有のメインMTRでいろいろと検証してみました。
通常プロの現場で使用しているPro Toolsなどと違う、8トラックという制限にもかかわらず、それ以上の世界を感じました。が、
なんと全トラック、オーバーロードにより歪んでます!
さらに本人の意図ではなかったのです!(笑)ある意味才能ですね。
改めて、音楽の「mugen」を感じました。(オーバーか!)
しかしながら、問題点もいくつか感じ、短い時間でしたが抗議?(失礼!)講義させて頂きました。(テキストを参照)

今日においては低価格で高いクオリティーの様々な録音システムが手に入ります。
これにより、演奏力の低下などの問題点も感じますが、うまく使いこなす事により便利なことも確かです。
音楽録音といってもいろいろな手法があり、決まりはないのですが、このレポートを読んで少しでも録音に興味を持って頂くと、皆さんの音楽性の世界が広がるのでは、と思います。
ichi-mugenさんもリプロダクションを終えて感じた事でしょう。

プロをめざしている方、趣味の方々、納得いくまで「音を楽しんでください」
また、皆さんとお会い出来る事を楽しみにしています。

<レコーディング・エンジニア : 中澤 智>

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参考資料-使用機材一覧

スタジオの様子_4スタジオの様子_5スタジオの様子_6
STUDIO

Sound City

CONSOLE

SSL SL6064G+BG-TRU

DAW

Degidesign Pro Tools HD 3 Accel

MONITOR SP

REY AUDIO RM-7V

YAMAHA NR-10M STUDIO

MONITOR AMP

Amcron PSA-2

HEAD AMP

NEVE 1073

COMP

UREI 1176LN

NEVE33609

REVERB

Lexicon 480L

MIC

TELEFUNKEN U-47 Tube

NEUMANN KM-56 Tube

NEUMANN U-87i

SENNHEISER MD-421U

SHURE SM-57

ELECTRIC PIANO

Rhodes MarkT Suitcase Piano

ORGAN

HAMMOND XK-3

ACOUSTIC GUITAR

HISTORY NT-02

HISTORY NT-07

ELECTRIC GUITAR

HISTORY GH-T2

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録れコン2007 協賛各社(50音順)

オーディオテクニカ(株)/ キクタニミュージック(株) / (株)コルグ / (株)ズーム / ティアック(株) / (株)フックアップ / (株)ミュージックネットワーク / ヤマハ(株)LM営業部 / ローランド(株)

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