聖夜の東京に悲劇が起こる!本年度、大注目のノンストップクライムサスペンス映画『サイレント・トーキョー』とインスパイア曲『Happy X-mas(War Is Over)』を解説!

『サイレント・トーキョー』 ©2020 Silent Tokyo Film Partners

1.今年の冬、必見の映画!『サイレント・トーキョー』

クリスマスイブの12月24日、「恵比寿に爆弾を仕掛けた」という電話がテレビ局に入る。イタズラだと思ってやって来たテレビクルーを恵比寿で待っていたのは、爆弾が設置されたベンチに座っていた謎の女性。突如、爆破までのカウントダウンが始まる! 
 そんな緊迫したシーンから始まる映画『サイレント・トーキョー』。聖夜の東京を舞台に、連続爆破テロ事件が起こる、ノンストップクライムサスペンスです。
 主演は佐藤浩市さん。容疑者と思われる主人公を演じています。そして、石田ゆり子さん演じる謎の主婦や事件を追う刑事役の西島秀俊さんなどが交錯し、最後までノンストップのハラハラドキドキの展開が繰り広げられます。
 キャストは他に中村倫也さん、広瀬アリスさん、井之脇 海さん、勝地 涼さんなど実力派俳優が顔を揃えています。
 迫力ある衝撃映像連続で、物語はジェットコースターのように進みますが、登場人物が織りなす人間ドラマもこの映画の魅力の一つ。その人物の内面が滲み出る演技も見どころです。
 原作は『アンフェア』シリーズなどで知られる人気作家・秦 建日子(はた たけひこ)さんの小説『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』。監督はドラマ「SP」の波多野貴文(はたの たかふみ)さん。迫力のある映像は、ぜひ映画館で体験してほしいです。

映画『サイレント・トーキョー』予告 2020年12月4日(金)公開

『サイレント・トーキョー』公式サイト

2.『Happy X-mas(War Is Over)』ってどんな曲?

 原作の『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』はジョン・レノンとオノ・ヨーコの『Happy X-mas(War Is Over)』にインスパイアされて書かれた作品です。
 今でこそ、クリスマスソングの定番として親しまれていますが、発表当時は反戦メッセージを込めた曲でもありました。
 この曲が米国でリリースされたのは1971年12月1日。英国では翌1972年11月に発売されました。遡ること3年前、二人は世界12都市で『WAR IS OVER! (IF YOU WANT IT)』という異例のメッセージ広告を展開し、反戦を訴えました。二人が「平和のためのベッドイン」を行ったのも1969年。ベトナム戦争が激化していた時代でした。
 アーティストとして「コンセプチュアル(概念的な)」作品を発表し続けているヨーコ。表現方法はパフォーマンスや詩、音楽活動など様々ですが、作品の根底には平和への願いが込められています。『イマジン』の歌詞は、ヨーコの詩集『グレープフルーツ』から生まれたと言われており、ヨーコの思想はジョンの創作活動に大きな影響を与えました。

 『Happy X-mas(War Is Over)』のアイデアが生まれたのは1971年7月、夏のニューヨークでした。ジョンがホテルで朝食のコーヒーを飲んでいるときにクリスマスソングを作ることを思いつき、その場で曲が誕生したと言われています。
 この曲にはアコースティックギター、ベース、ドラム、ピアノといったお馴染みの楽器の他に、チューブラーベル(金属製の打楽器)、グロッケンシュピール(鉄琴の一種)、スレイベル(棒に複数の鈴がついた楽器)といったクリスマスにぴったりな楽器も使用されています。また、この曲にはハーレムの教会の聖歌隊のコーラスも入っていますが、子供達のコーラスを入れることが決まったのはセッション前日のこと。このレコードのシングルジャケットには子供達とジョン、ヨーコ、スタッフの集合写真が使われています。
 この曲は多くのアーティストにもカバーされていて、海外ではマルーン5、日本ではflumpool、LOVE PSYCHEDELICOといったアーティストも歌っています。様々なバージョンを聞き比べるのも楽しいかもしれませんね。

「Happy X-mas(War Is Over)」. (Ultimate Mix, 2020) John & Yoko Plastic Ono Band + Harlem Community Choir

3.新世代の歌姫Awichがエンディングを担当!

 映画のエンディングソングとして、この『Happy X-mas(War Is Over)』をカバーしているのは、新世代アーティストのAwich(エイウィッチ)さん。
 プロデューサーである阿比留一彦氏によれば「この作品で伝えたい想いを表現することができるのはAwichさんの他にいない」とのことで、オファーされたそうです。
 Awichさんは沖縄出身。2006年にEP『Inner Research』でデビュー。同時期にビジネスを学ぶため米国アトランタに渡ります。翌年、米国人男性と結婚して長女を出産。3年後にインディアナポリス大学で学士号を取得し、家族で日本に帰国しようとした矢先に、夫が他界。その後、長女と共に沖縄に戻り、本格的に音楽活動を再開しました。
 Awichさんは「この歌を歌えるということはとても嬉しいと共に、初めはとても恐れ多かった。でも、もともとこの歌に託された想いやこの映画に込められたメッセージに共通するものが私の中にも幼い頃からあったので、そこにフォーカスして歌いました」とコメントしています。
 阿比留一彦氏も「彼女のもつ壮絶な経験から生み出される味わい深い歌声は、日本で当たり前のように感じている『普通の』・『日常の』大切さを認識させてくれます」と話しています。
 日本だけでなく米国、中国、ブラジルなど、世界各国のアーティストとコラボしているAwichさん。彼女のインターナショナルで力強い歌声は、平和へのメッセージとして、静かに人々の心に届きます。

Awich – Happy X-mas(War Is Over)

コロナ禍で、これまでとは違うクリスマスを迎える私達。これまでのように仲間と集まってクリスマスパーティーはできなくても、大切な人と一緒に穏やかに過ごす時間が愛しい。そんなことを思わせてくれる映画です。

【作品情報】

『サイレント・トーキョー』
2020年12月4日(金)全国公開
監督:波多野貴文
脚本:山浦雅大
原作:秦建日子『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』(河出書房新社)
エンディング曲:Awich “Happy X-mas(War Is Over)”
出演:佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊、中村倫也、広瀬アリス、井之脇 海、勝地 涼
配給:東映

この記事を書いた人

ホシナ

ホシナ

毎日愛猫に邪魔されながら、ネットラジオで洋楽を聴くのが好きなライター。楽器ができないので、演奏できる人を尊敬しています。好きなジャンルは洋楽ロックから三味線の邦楽まで。実はちょこっと日本舞踊も踊れます。夢は野外フェスデビュー。誰か一緒に行ってください〜。