I Love Piano!スペシャルロングインタビュー 前編

クラシックの世界に留まらず様々な曲やシーンでピアノ演奏を表現されてきた大井健氏。
今回大井健氏が2月14日にリリースする初の映像作品『Piano Love The Movie~Music Documentary Film~』についての内容やピアノに対する想いを、2時間以上にも及ぶロングインタビューの中で語っていただきました。

大井健スペシャルロングインタビュー【前編】(1/4)

大井健 インタビュー写真
島村楽器スタッフ
大井さんがリリースされているCDのタイトルが『Piano Love』ということで、勝手ながら今回の『I Love Piano!』という企画タイトルとバッチリで、親近感を持たせて頂いております。
大井健
タイトルを『Piano Love』にしておいて良かったです(笑)

大井健初の映像作品!

島村楽器スタッフ
今日は2月14日に発売される大井さんの映像作品『Piano Love The Movie~Music Documentary Film~』のお話と、『Piano Love』ということで、ピアノを始める方をどうやったら増やしていけるのか、ということについてピアニストのお立場から想いやお話をお伺いできればと思っております。
大井
ピアノを始める方を増やしていくって、実はすごくハードルが高いことですよね。僕自身も課題に感じていることなのでぜひよろしくお願いします。
島村楽器スタッフ
今回の映像作品『Piano Love The Movie~Music Documentary Film~』ですがオフショットパートと演奏パートの大きく2つの内容から構成されていましたよね。ファンの方にはたまらないオフショットが満載でしたね!
大井
まさか自宅で一人で撮った映像があんなに使われると思っていなくて、ファンの方はそういうのが見たかったという要望があったみたいですけれど、自分としてはちょっと恥ずかしい部分でもありますね。(スタッフの方に)全部回してくださいって言われたので何が使われるかわからなかったんですけれど、開き直って部屋にカメラを置きっぱなしにしてたくさん撮りました(笑)
島村楽器スタッフ
大井さんご自身のオススメポイントはどこでしょうか?
大井
そうですね、演奏シーンのカメラワークが本当に素晴らしくて、例えばTVの前にちゃんと座って観て頂くだけじゃなくてもいいのかなと。生活の中でのBGMのように映像を流したりして頂けるようなとても綺麗な作品に仕上がっていますので、ぜひそこを楽しんで頂ければと思います。
島村楽器スタッフ
たしかに美術館での演奏シーンはとても素敵な映像で感動的でした。オフショットパートの方はいかがでしょうか?
大井
オフショットは・・・うーん、まさか朝ごはんのシーンが使われるとは思わなかったですね(笑)
島村楽器スタッフ
毎朝『アレ』を召し上がられるんでしょうか?
大井
いや、まぁ『アレ』はたまたまあの日それしかなかったんですよ。ちゃんと納豆ごはんも食べますよ(笑)
島村楽器スタッフ
起床時間も毎日早いということですが、なにか意識されているのでしょうか?
大井
夜はなかなかピアノが弾けないですしね。遅くまで起きていると本を夜中まで読んでしまったり、余計なことをしてしまったりして、その結果ピアノに使える時間がどんどん少なくなっちゃうんですよね。だからなるべく朝早く起きて、ピアノを弾ける時間をつくろうと思っています。
島村楽器スタッフ
練習されていたグランドピアノのお部屋はご自宅でしょうか?
大井
あれは別で借りている練習室ですね。でもそこも夜中はピアノが弾けないんです。自宅には電子ピアノを置いているので練習室に行く時間が無い時は夜な夜な自宅で練習することもあります。

ピアニストも練習では電子ピアノを活用する

島村楽器スタッフ
ご自宅の電子ピアノは長く使われてるものなのでしょうか?
大井
そうですね、5,6年は使っていると思います。持ち運びもできるようなタイプの電子ピアノなので外での演奏活動で使ったりもします。
島村楽器スタッフ
ご自宅の練習で電子ピアノを使われているというのは少し意外でした。
大井
ピアニスト仲間で自宅で電子ピアノを使っている人は多いですよ。用途によって使い分けるというのかな。僕の場合は『レジェンド』というオペラグループで伴奏をしていましたが、駅前などで演奏をすることもあったので、電子ピアノを自分で担いで持って行ってましたね。

ピアニストへの一歩は入園式の日に習い出したピアノ

島村楽器スタッフ
留学されていたのはドイツとイギリスでしたよね?おいくつまで行かれてたんでしょうか?
大井
ドイツには11歳の頃に家族で行ったのですが、日本人が少ない学校で日本語の勉強が難しくなってしまい、受験して僕だけ単身でイギリスの日本人学校に行きました。その後家族はロサンゼルスに移り住んだのですが、僕だけ日本に帰ってきましたね。
島村楽器スタッフ
ピアノを始めることになったのは大井さんのお母様がピアノの先生だったということが一番大きなきっかけでしたか?
大井
そうですね。本当は幼稚園に入るより前に習いたかったんですけれど、手が小さすぎたので幼稚園に入ってからと母親と約束をしたんです。だから入園式の日から習い出したことをよく覚えています。でも物心つく頃にはピアノで遊んでいたと思います。
島村楽器スタッフ
留学されるまでお母様からレッスンを受けられたのでしょうか?
大井
小学校2年生くらいの時にたまたま僕の演奏を見て誉めて下さった音楽教室の先生から、もっと学んだ方がいいと言われて、有名な音楽大学の教授への紹介状を頂いたんですけれど、当時の僕は「そんな真面目にピアノ弾きたくない」って断ってしまって(笑)なのでそこから先は自宅にある楽譜を片っ端から一人で弾くようになりました。
イギリスに行くまではそんな感じでしたけれど、イギリスでメンデルスゾーンのご子孫の方とお会いする機会があって、気に入って頂いてからはかなりレッスンの量も増やされましたね。厳しかったわけではないんですが、そこからたくさん勉強するようになりました。