【シンセ】Dave Smith Instruments「OB-6」と共同開発者「Tom Oberheim」について

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2017年07月28日

Dave Smith Instrument「OB-6」

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全国のシンセサイザーファンの皆様こんにちは!只今「Prophet-06」ばかりか「OB-6」「Prophet Rev2-8V」も入荷して怒涛のDave Smith Instruments祭状態になっている島村楽器仙台イービーンズ店ですが、ここで「OB-6」に注目して、この「OB-6」はどんなところが凄いのか?また、共同開発者となった「Tom Oberheim」とはどんな人なのか?簡単に皆様とおさらいしてみたいと思います、是非、シンセサイザー好きの皆様には(勿論、そうでなくても)ご一読いただければ幸いです!

店頭展示中!OB-6の注目すべきポイント

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メーカー 型名 定価(税込) 売価(税込)
Dave Smith Instruments OB-6 ¥OPEN ¥429,800

①連続可変可能なディスクリート・オシレーター

OB-6 の素晴らしいヴィンテージ・サウンドの中枢となっているのが、ボイス毎に2基ずつ搭載されたディスクリート・オシレーターです。オシレーター1 はノコギリ波からパルス波へ、オシレーター2は三角波からノコギリ波を経てパルス波へと連続可変が可能です。オリジナル Oberheim シンセサイザーでは不可能だった微妙なニュアンスを持つ波形を生み出す事ができます。オシレーター1はオシレーター2にハードシンクする事ができ、モジュレーションと組み合わせる事で複雑かつリッチな倍音成分を含むサウンドを得る事ができます。OB-6 のオシレーターは非常に安定したピッチで演奏する事が可能ですが、DETUNE ノブによりオシレーターへランダムな音程変化を与える事で、ヴィンテージ・アナログ・シンセサイザー特有の不安定さを再現する事もできます。このデチューンにより、ヴィンテージ・シンセサイザーのサウンドに於ける「温かみ」や「太さ」を表現できます。ミキサーセクションでは オシレーター1 と オシレーター2 のバランスを調整し、矩形波のサブオクターブとノイズ波形を足してフィルター・セクションへと送られます。

⇒波形が連続可変、オシレーター1,2を使い分け、或いは相互作用させる事で様々なサウンドがお楽しみいただけます!

②ステイト・バリアブル・フィルター

OB-6 のサウンドを特長づける最大の要素はこの Oberheim SEM にインスパイアされた2ポール (-12dB/Octスロープ) のステイト・バリアブル・フィルターです。フィルター・モードはローパス・フィルターからノッチ・フィルターを経てハイパス・フィルターへの移行を、ノブによりスムーズに行う事ができます。BP ボタンを押すとバンドパス・フィルター・モードに切り替わります。通常のフィルター・モードとバンドパス・フィルター・モードは、 X-MOD のデスティネーションを Norm BP を設定する事で、スムースにクロスフェードさせる事もできます。

⇒ARPやmoogで採用されていた4ポールではなく2ポールのフィルターを採用!

是非OB-6ならではのサウンドを店頭にて実感してみて下さい!

DaveSmithInstruments「OB-6」の共同開発者「Tom Oberheim」とは

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学生時代

本名はThomas Elroy Oberheim、1936年7月7日にアメリカはカンザス州マンハッタンで市バス路線を経営する父と専業主婦の母の下に産まれ、幼少期はマンハッタンの街をユニオン・パシフィックとロック・アイランドという鉄道が経由していた為か、「鉄道」を趣味とする少年でした。

彼が語る技術的・電気的な事柄に興味を持つに至った初めての出来事は10歳のクリスマスの事、電動モーターキットをプレゼントして貰い、その緻密なシステムに感動し、やがて、鉱石ラジオなどに興味を持つに至ります。この鉱石ラジオがきっかけでラジオ関連の技術的な書籍を読むばかりか、遂にはラジオ店でアルバイトを始めたのでした。ラジオ店では真空管ラジオの修理方法を教えてくれたばかりか、オシロスコープやヒースキット社製電子キットの組み立て、その他様々な電子機器の修理の仕方などを覚え、実践的な知識も身につけていきました。高校時代にはカンザス州立大学工学部主催のエンジニアリング・オープンハウスに度々足を運び、エレクトロニクスに関する経験と学習を重ねていきました。

1954年5月に高校を卒業すると迷う事なくカンザス州立大学の電気工学部に進学、しかしながら3期を終えると懐事情の寂しさから学費を稼ぐ為に1956年カンザス州ウィチタで仕事を探す様になるのですが、その時に寄宿していた友人にはアーティスト仲間が多く、そんな彼らの誘いからカリフォルニアへと引っ越す事となります。著名なJAZZプレイヤーの演奏がタダで見られるというかなり衝動的な理由であった為、1956年12月にNCRの製図技師見習いとして働き始め、この仕事を通して彼はデジタル・コンピューターの設計を学び、二進演算や論理設計だけでなく、粗削りではあるもののプログラミングまで手がける様になります。

そんな当時創成期でもあったコンピューターに打ち込んでいく中で、彼は改めてコンピューター・エンジニアになる為に再び大学に戻り学位を取得する事を決意、1957年9月にカリフォルニア大学ロサンゼルス校で再び大学生活を始める事となります。大学で学びながらもNCRでパートタイムで働き続けていた彼は、NCRの数人のエンジニアが物理学の学位を持っている事に気付いており、専攻を今迄の工学部から物理学部へと変更する事となりました。

オーバーハイム・エレクトロニクスの設立

卒業後はコンピューターエンジニアを続けていた彼ですが、UCLAの同期であるドン・エリスからの依頼でアンプやエフェクターを製作する事となり、それが大きな人生の転機となります。このドン・エリスの為に製作されたエフェクターの1つ「Maestro Ring Modulator RM-1A」がハリウッドの音響効果スタッフの目に止まり、あの名作「猿の惑星」のスペシャル・エフェクトとして採用されたのです!このMaestroの評判は瞬く間に広まり、Gibsonが展開するエフェクタ―ブランド「Maestro」で製品化され大ヒット!中でも世界最初のフェイザーとされる「Phase Shifter PS-1A」は3万台を超える異例の大ヒットとなり、オーバーハイムの楽器業界への鮮烈なデビューを印象付けました。

1971年ARPでディーラーとしてシンセサイザー販売を短期間経験した後、その経験・知識とMaestroエフェクターで得た収入で、いよいよ彼は自分のブランド「オーバーハイム・エレクトロニクス」を設立、1973年の事でした。第1号製品は「DS-2」、当時はMoogやARPのシンセサイザーをコントロールする為の製品でしたが、後にDS-2でコントロール出来る自社製品「SEM」を開発、それまでのMoogやARPのシンセサイザーとフィルターの効きが違う(当時Moog,ARPは24db/octの変化量なのに対して、12db/octの変化量)事がとても大きな特徴でした。これをきっかけにいよいよオーバーハイムはシンセサイザーの製作にのめり込んでいき、1975年には初期の一体型ポリフォニックシンセサイザー「4-Voice」を開発、これらの実績から今でも彼を「シンセサイザーの生みの親」と呼ぶ人が後を絶ちません。そんなシンセサイザー界のレジェンド「オーバーハイム」がデイブ・スミスとコラボレーションした商品がこの「OB-6」なのです。

お問い合わせ

いかがでしたでしょうか!シンセサイザー好きの皆様には是非とも見ていただきたい島村楽器仙台イービーンズ店のシンセサイザー売場!最新の商品が並ぶ中、中古商品の取り扱いもございますので、まさかの掘り出し物が見つかる可能性もございます!担当志村が皆様のお役に立つべくお待ちしておりますので、是非、お気軽にお問い合わせ下さい!

店舗 仙台イービーンズ店
電話番号 022-264-9333
担当 志村

スタッフ紹介(志村)

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高校時代より作曲に興味を持ち、バンド活動と並行してDTMを楽しむ。大学時代にボーカロイドと出会いボカロPの道を歩み、多くのコンピレーションに参加、また自主制作CDなどを発表する。自称島村楽器仙台店の二次元担当。サブカルチャー文化に無駄に詳しい。

使用機材
DAW Cubase/Ableton Live
Audio I/F Apollo Twin USB
楽器 SH-TC/R(HISTORY)/Les Paul Special TV Yellow(Gibson)/ZJB1R/5(CoolZ)/KRONOS61(KORG)/Axe-Fx II XL+
スピーカー MO-1(musikelectronic geithain)
ソフト音源 Trilian/AddictiveDrums/Ivory Grand Piano/Serum etc...
プラグインエフェクト UAD/Waves/Amplitube3

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