Maurizio Tadioli, Italy – Cremona, 2020 Model; Guarneri del Gesu 1744 “Leduc” ヴァイオリン マウリツィオ・タディオリ

シマムラストリングス秋葉原

シマムラストリングス秋葉原店舗記事一覧

2020年06月01日

*世界に祈りを捧ぐ-鎮魂の想いを込めたレクイエム、"Leduc"完成。 オールド名器コピー製作のトップメーカー:Maurizio Tadioli(マウリツィオ・タディオリ)の最新作が入荷しました。不安定な社会情勢の中、彼が選んだモデルはGuarneri del Gesuのなかでも特に変怪な作品と知ら […]

世界に祈りを捧ぐ-鎮魂の想いを込めたレクイエム、"Leduc"完成。

オールド名器コピー製作のトップメーカー:Maurizio Tadioli(マウリツィオ・タディオリ)の最新作が入荷しました。不安定な社会情勢の中、彼が選んだモデルはGuarneri del Gesuのなかでも特に変怪な作品と知られる最晩年の作、"Leduc"(レデュック)。コロナウイルスの感染爆発が起こった自国に心を傷め、世界へ平穏の祈りを込めた名器がここに蘇ります。


Guarneri del Gesu 1744 "Leduc"の由来

Guarneri del Gesu 1744 "Leduc" - Peter Biddulph著:"The Violin Masterpiece of Guarneri del Gesu"より

"Leduc"(レデュック)は、Guarneri del Gesu(ガルネリ・デル・ジェス/1698年生-1744年没)の最晩年の作品のひとつです。この"Leduc"という名前の由来は、この楽器を購入したパリの建築家(アマチュアのヴァイオリン奏者でもあった)から取られています。その後、楽器は100年以上の月日をかけてパリ➡ロンドン➡ニューヨークへと流れ、1924年に実業家:John Shaffer Phipps(ジョン・シェーファー・フィップス)が購入。1970年にヴァイオリニスト:Henryk Szeryng(ヘンリク・シェリング)に貸与され、長年愛用されていた名器です。(最近では "Ex.Szeryng"とも呼ばれています。)近年はTarisio Trustの若手支援により、ヴァイオリニスト:Augustin Hadelich(オーガスティン・ハーデリッヒ)が使用しています。

"Leduc"のトレードマークは、数あるデルジェスの中で最も「奇形」と言えるスクロール(糸巻)にあると思います。スクロールの中心部分は極端に痩せ衰えており、タディオリ曰く『まるでエイリアン(宇宙人)の顔のようだ』と表現。さらに、異常に長いFホールや過度に伸び切ったCカーブ~両端のコーナーに至るまで、一見すると常軌を逸した作品に見えますが、晩年のデルジェスが最後に残した「美学」と評される傑作です。
長い間、"Leduc"は1745年に製作された考えられていましたが、デルジェスのバイオグラフィーを研究していたヒル商会は1745年は不可能と断定。彼らはラベルを再検査し、「1743」の数字を解読しました。しかし、1743年の作品にはパガニーニが愛用したことで有名な「Il Cannone(イル・カノーネ)」をはじめ"Sauret"、"Carrodus"などがあって特徴が異なっており、翌年に製作された、"Ole Bull(オレ・ブル)"に共通点が多いことから、現在は"Leduc"を1744年製と表記するのが一般的です。
ちなみに、1994年ニューヨーク:メトロポリタン美術館でデルジェスだけを集めた展覧会をオーガナイズした研究者たちの間では、ラベルを貼ったのはデルジェスの妻:Katarina Rota(カタリナ・ロータ)なのではないか・・・という説もあるようです。


Maurizio Tadioliプロフィール

Maurizio Tadioli

1967年 クレモナ生まれ。学生時代は優れたオルガニストでもあった。祖父Carlo Pizzamiglioの影響で弦楽器製作のキャリアをスタートさせる。Pisogne国際バイオリン製作コンクールの審査員、ピラストロ社の商品開発のアドヴァイザーを務めるなど、多忙を極める製作家。
ストラディヴァリウス所有のマテオ・フェデッリ氏、ガルネリ・デル・ジェス使用のスーザン・ホウ氏ら、オールド銘器所有のプロプレイヤーが使用楽器のレプリカ製作の依頼することも多く、アンティーク風新作楽器製作におけるクレモナの最先端シーンを先導する名工。

受賞歴

  • 1984年 Bagnacavallo Competition(伊) ヴァイオリン部門 ゴールドメダル
  • 1990年 Bagnacavallo Competition(伊) ヴァイオリン部門 シルバーメダル
  • 1992年 Bagnacavallo Competition(伊) ヴィオラ部門 シルバーメダル、ヴァイオリン部門 ブロンズメダル
  • 2004年 VSA Competition(米) クァルテット(Vn×2, Va, Vc)音響部門 Certificate of Merit

...ほか受賞歴多数。

Maurizio Tadioli使用アーティスト

...ほか多数。


Maurizio Tadioli, Italy - Cremona, 2020, Model; Guarneri del Gesu 1744 "Leduc"

【MEASUREMENTS】

NECK STOP : 130mm
DIAPASON : 192mm
BODY LENGTH : 356mm
UPPER WIDTH : 167mm
MIDDLE WIDTH : 114mm
LOWER WIDTH : 203mm
鬼才Tadioliがおくる、鎮魂の"Leduc"。

下記お問い合わせ先まで、お気軽にご連絡ください。
スタッフ一同、お客様からのご用命を心よりお待ち申し上げます。

製作家 Maurizio Tadioli
国/都市 Italy/Cremona
製作年 2020年
税込販売価格 Sold Out
お問い合わせ メールフォーム
Zoom 島村楽器オンラインコンサル

ドイツ国家資格マイスター:茂木顕による厳選買い付けコレクション

茂木顕

当社のヨーロッパ買い付けの弦楽器は、ドイツ国家資格マイスターを所持する茂木顕(もてきけん)が、全品試奏&全品検品を徹底のもと、製作家・鑑定家より直接仕入れております。
その様子は弦楽器コンシェルジュブログにて詳しく、楽しく、オープンに公開しておりますのでどうぞご覧下さい!


茂木顕プロフィール

茂木顕

東京バイオリン製作学校卒業。国内の専門店・製作工房に勤務後、ドイツのバイオリン製作家ステンゲル氏の工房に就職。2001年ドイツ国家資格であるバイオリンマイスター試験に合格。その後、ハンブルグの老舗ヴィンターリンクで工房長として勤務する。2004年から島村楽器の専属マイスターとなり、弦楽器の買付や工房の運営などをこなすスペシャリストとして活躍中。


この記事を書いた人 - Writer

糸山 和慶 Kazuyoshi Itoyama
シマムラストリングス秋葉原 店長
Manager

東京生まれ。2004年島村楽器入社。才能教育研究会研究科C修了。大学時代にはサイトウキネンフェスティバル(現・セイジ・オザワ 松本フェスティバル)、ザハール・ブロン公開レッスン(横浜みなとみらいホール)等、クラシック音楽マネージメントの現場を多数経験したほか、福祉施設でのアウトリーチ活動にも携わる。
現在は、シマムラストリングス秋葉原の店長および全国の島村楽器の弦楽器販売を推進する役割を担いつつ、国内外の営業と展示会の企画、海外買い付け業務と輸出入の実務を担当。また、ニコロ・サンティ"NSN60S"葉加瀬太郎シグネチャーモデル"Antonio Tarontino"等のヒット商品を仕掛けるなど、商品開発にも積極的に取り組んでいる。

Language: English


お問い合わせ

※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。