宅録でグラミー賞が現実に?!ビリー・アイリッシュと兄フィネアス・オコネルの音楽制作機材を大調査!

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2020年02月02日

こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦です! 今日は今一番ホットなアーティスト、女性シンガーソングライターのBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)と作曲家、音楽プロデューサーでありビリー・アイリッシュの実兄のFinneas O'Connell(フィネアス・オコネル)の使用している音楽機 […]

こんにちは、島村楽器名古屋パルコ店の立浦です!

今日は今一番ホットなアーティスト、女性シンガーソングライターのBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)と作曲家、音楽プロデューサーでありビリー・アイリッシュの実兄のFinneas O'Connell(フィネアス・オコネル)の使用している音楽機材についてご紹介していきたいと思います。

Billie Eilishのグラミー賞獲得について

若干18歳にて2020年(第62回)のグラミー賞において最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀アルバム賞、最優秀新人賞といった主要4部門を独占、更にベストポップヴォーカル賞も受賞し5冠を制したビリー・アイリッシュ。

これは1981年のクリストファー・クロス以来、39年ぶりで史上2人目の快挙とのこと。

また、女性シンガーソングライター、テイラー・スウィフトが保持していたソロ・アーティストとしてのアルバム賞受賞の最年少記録(テイラーは20歳の時に受賞)も塗り替えてしまいました。

また、兄フィニアスも、プロデューサー賞など5部門でノミネートされ、全ての部門で受賞。

この快挙を成し遂げた兄妹2人ですが、今、一部の有識者に注目されているのは彼、彼女らの音楽制作環境。

さぞかしゴージャスなスタジオにて強力な機材たちを駆使して制作されているのかと思いきや…

なんと自宅の寝室やリビングなどのプライベート空間にて録音、制作されているとのこと!

そして使用機材群も、常識はずれなほど高価なものは無く、これはまさに宅録でグラミーに到達できる事を証明した出来事なのです!

電化製品やガジェットの話題を扱うテクノロジーブログ『Engadget』でも

“ビリー・アイリッシュの5冠は、いまや誰にもグラミーを獲れる可能性を示す出来事”

と題し、その快挙について言及しています。

https://japanese.engadget.com/jp-2020-01-27-5.html

これは、音楽制作における新たな歴史の幕開けと言えましょう!!

さてはて、ビリー・アイリッシュとフィネアス・オコネルはどのような機材を駆使してグラミー賞を制したのでしょうか?

早速その一端をご紹介していきたいと思います。

制作環境は“自宅”、制作人数は主に“2人”

まずは上記動画をご覧ください。

こちらはイギリス・ロンドンに本社を置くレコード会社AWAL(アーティスト・ウィズ・ア・ラベル) のYoutubeチャンネル内にて公開されている、アーティスト達の音楽や楽曲制作環境を紹介するSPACEという企画にて、兄フィネアス・オコネルがどのように音楽制作を行っているのかを紹介しているもの。

この動画にて紹介されているのは彼が2018年頃まで使用していた自宅スタジオ。

彼らは防音完備されたガチガチのスタジオではなく自宅の簡易スタジオや寝室、リビングといった生活空間の中で2人で共同作業を行い、楽曲を完成させていったのだとか。

メジャーデビュー後、大物プロデューサーをつけ、本格的なスタジオを稼働させることも提案されたそうですが、あくまでプライベートな空間で2人で行う事に拘ったとビリーアイリッシュとフィネアス・オコネル。

こちらの動画や担当があれこれ閲覧している書籍(例えばSound&Recording 2019年の9月号にビリー・アイリッシュ特集がありますよ!)や海外サイトで得た知識を参考に、動画内に登場する機材たちを読み解いていきたいと思います。

※2019年に彼らは新たなプライベートスタジオに引っ越していますが、基本的な機材構成はあまり変わっていないようです。

DAWソフト『Logic Pro X』

DAWソフトはApple社のLogic Pro Xを使用!

AppStore直販ダウンロードのみで楽器店では取り扱いはありませんが…24,000円という価格が信じられないくらい高機能なDAW!

Mac標準で搭載されているGaragebandの上位機種にあたり、世界中で幅広く愛用されています。

国内でも星野源さんやサカナクション・山口さん、宇多田ヒカルさん等の著名アーティストが多数使用している人気ソフトです!

DAWの操作は主にフィネアスが行うようですが、ビリー・アイリッシュ自身もアイデアのスケッチ用としてiPhoneの音楽制作アプリ『GarageBand』を使用しているとか。

オーディオインターフェイスはUniversal Audio Apollo X

メーカー 品番 限定販売価格(税抜) 通常販売価格(税抜) ご購入URL
Universal Audio APOLLO X8 QUAD 282,000!円 288,000円 こちら
Universal Audio APOLLO X8P 338,000!円 340,0000円 こちら

オーディオインターフェイスはかなりしっかりとしたものを選んでいらっしゃる模様。

2014年の初登場以降、多数のアーティストやエンジニア、レコーディングスタジオに採用され、もはや説明不要なほど業界のマストアイテムとして定着したUniversal Audio社のオーディオインターフェイスApolloシリーズのフラグシップ機Apollo Xを使用。

往年のスタジオ・レコーディング機材をモデリングしたUAD-2プラグインを駆動させるDSPを6基も内蔵、またThunderbolt接続で低レイテンシーかつ高音質での録音が行える最もプロユースなモデル。

インターフェイスとしては間違いない選択ですね!

当店でもDTM/DAW製品売り場のメインインターフェイスとして、このApollo Xが常時稼働しています!

モニタースピーカーはYAMAHA HS5とサブウーファーYAMAHA HS8S

メーカー 型名 価格(税抜) 備考 ご購入URL
YAMAHA HS5 ¥28,400 ペア価格 こちら
YAMAHA HS8S ¥50,380 ペア価格 こちら

モニターには日本国内でも高い人気を誇る音楽制作用モデル、YAMAHA HS5とサブモニターHS8Sを使用!

HSシリーズはプロの現場でも高い採用率を誇る同社のNS-10(通称テンモニ)のフィロソフィーを継承し、原音忠実を謳うエントリー価格ながら非常に優れたモニターです。

余談ですが、彼女らを担当するベテランミックスエンジニアであるロブ・キネルスキーは昨年発売されたAVANTONE CLA-10というテンモニを忠実に再現した事で話題なパッシブ・モニターを使用されているようです。テンモニの影響力凄い。そしてロブ・キネルスキーはやビヨンセ、アリアナグランデやジャスティンビーバー等の大人気ミュージシャンを多数手がける御方。ロブ・キネルスキーも凄い。

メディア・インテグレーションさんの公式HPにもロブ・キネルスキー氏のインタビューが掲載されいます!

こちらも是非ご一読あれ。

HS5は70W高出力で余裕のあるサウンド、周波数特性も54Hz-30kHzと上から下までクリア!

当店でも、これから音楽制作を始めたい!という方を中心にとっても人気な本機種。

手ごろな価格と大きすぎないサイズ感で宅録の強い味方です!

マイク

Audio-Technica AT2020

メーカー 型番 通常販売価格(税抜) ご購入ULR
Audio-Technica AT2020 9,800円 こちら

2016年、ビリー・アイリッシュが若干14歳の時、サウンドクラウドに初めて投稿して話題となった「Ocean Eyes」、そして「Six Feet Under」、「Bellyache」など初期の楽曲では、なんと創業50年以上の老舗、日本のAudio-Technica社のカーディオイドコンデンサーマイクAT2020が使用されていたとのこと。

1万円を切るマイクで、あんな名曲を録れてしまうとは…これは結構衝撃的ですね…!!!

これまた余談ですが、Perfumeさんやきゃりーぱみゅぱみゅちゃんのプロデューサーでも知られる中田ヤスタカさんは、自身のユニットCUPSELのアルバム『WORLD OF FANTASY』にて、同社のもうちょっと上位機種…といっても3万円くらいのAT4040というコンデンサーマイクを使用しこしじまとしこさんのボーカルパートなどをされていたのだとか。

弘法筆を選ばずということでしょうか…というか、おーでぃおてくにか製品超すごい。

Neumann(ノイマン) TLM103

メーカー 品番 価格(税抜)
ノイマン TLM103 128,000円

上記の動画や近年の動向を見ると、今のメインはこのTLM103のようですね!

プロオーディオ機器を手掛ける、創立90年を超えるドイツの名門Neumann(ノイマン)のマイクは、特にボーカルやナレーションなど“声”のレコーディングにおいて絶対的な信頼と安定度を誇り、特に同社の絶対王者マイクU87はレコーディングスタジオはもとより、TVやラジオ局といった放送の現場や声優さんのアフレコスタジオでも多く採用されています。

TLM103は、そんな U 87 由来のラージダイヤフラムを採用しつつコストダウンし限られた予算で最大限のクオリティを提供してくれる名マイク!

非常にバランスの良い声録りが可能になります。

sE Electronics V7シリーズ

メーカー 品番 価格(税抜)
SE Electronics V7 11,000円
SE Electronics V7X 11,040円
SE Electronics V7 MC1 13,800円

Billie Eilish は、sE Electronics V7 MC1 を信頼しているアーティストのひとりです。

彼女のFOHエンジニアである Drew Thornton が、Billie のライブボーカルに V7 MC1 カプセルを、兄 Finneas に V7 を、そしてスネアドラムに V7 X をチョイスしている模様。

(V7はボーカル、V7Xは楽器収音とそれぞれ特性が異なるマイク、またV7 MC1はShureのハンドヘルドトランスミッター用に特別設計されたワイアレス・カプセルです)

下記の動画ではなぜ彼らがV7シリーズを愛用しているかをDrew Thornton自身が語ってくれています。

ヘッドフォンはAudio-Technica ATH-M50x

メーカー 型名 販売価格 ご購入URL
audio-technica ATH-M50x ¥19,310(税込) こちら

動画においてフィネアス・オコネルが使用しているのが、この人気モニターヘッドフォンATH-M50x。

国内ではモニターヘッドフォンと言えばSONYのMDR-CD900STが超定番ですが、海外ではATH-M50xの方がフィーチャーされてる感じですね!

担当はSONY MDR-CD900STと本機種を両方所有しておりますが、MDR-CD900STが業務的なモニターサウンドなのに対し、ATH-M50xはそれよりも音楽寄りなサウンドなイメージです。

全体域に渡って実直で高解像度を誇るモニターサウンドを的確に提供してくれて、音楽制作において大変重宝する逸品!

折り畳んでコンパクトに持ち運びも可能で、利用シーンに合わせて選べる3本の着脱コードを付属(1.2mカールコード、3mストレートコード、1.2mストレートコード)しており、その取り回しの良さやレンジの広さ・装着感から作曲、トラックメイクだけでなく、DJさんや音楽リスニング用途でも愛用している方も大勢いらっしゃいます。

とってもおススメ!

MIDIキーボード

AKAI MPK mini MK2 RED

メーカー 型番 通常価格(税込) ご購入URL
AKAI MPK mini MK2 ¥9,980 こちら

これまた安価な機材が!!

宅録DTMerの人気MIDIキーボードAKAIのMPK mini MK2!!

フィネアスが上記動画内にて使用しているのは数量限定特別カラーモデルですね。

ベロシティ対応25鍵のミニ鍵盤に加え8つのパットやつまみ、ピッチやモジュレーション・コントロールのためのサムスティック等、コントロール部も一通り揃っている優秀なモデル。

更には「AIR Hybrid 3」「Sonivox Wobble」などパワフルなシンセサイザー・プラグイン・ソフトウエアが付属、楽曲制作の即戦力として取り込んでいく事が可能です。

また、専用のエディターを使えば送りたいMIDI信号のカスタマイズが簡単にできるので、実はかなり有能な鍵盤なんです♪

Native Instruments KOMPLETE KONTROL S88 (初代)

メーカー 型名 価格(税込) ご購入URL
Native Instruments KOMPLETE KONTROL S88 128,400円 こちら

クリエイター必携の高機能MIDI鍵盤KOMPLETE KONTROL Sシリーズの88鍵盤モデル『KOMPLETE KONTROL S88も使用されている模様。

上記動画内ではS88の初代モデルが登場。(上記リンクは現行のS88MK2)

同社の定番ソフトウェア音源KOMPLETEシリーズを始めとするNKSという規格に対応したサードパーティー製のプラグインを自由にコントロール、またそれぞれのサウンドのブラウジングやプレビューも可能で、作曲におけるスピードや操作性、演奏性が抜群に向上します!

また、指定したスケール(音階)をLEDライトでナビゲートしてくれたり、指一本でコードフレーズが弾けたりする独特な機能を有し、音楽制作が直感的でダイレクトに行える魔法のようなMIDI鍵盤なんです。


ROLI Seabord RISE 25

メーカー 型番 通常価格 デジマートURL
ROLI Seaboard RISE 25 ¥107,800 こちら

英国ROLI社のMIDI鍵盤Seaboardも!!

一般的な鍵盤とは異なり、柔らかく、連続したタッチレスポンス対応のサーフィスでこれまでに無いサウンドコントロールを実現する5次元キーボード!

盤⾯を叩く、押し込む、左右に滑らせる、上下に揺らす、指をはなす、といった「5D Touch」により複雑なサウンド変化と直感的なコントロールを実現する本機種はプロのクリエイターから高い評価を得ているシロモノです。

…なんだか難しそうな説明になりそうなので、下記の動画を見て頂くと、本機種の恐ろしいほどのポテンシャルの一端を感じて頂けるのではないかと思います。

ちなみにMIDI鍵盤以外にもアコースティックピアノやハイエンドステージピアノNORD Stage 2と3も使用されています。

フィネアス・オコネルはギター・ベースなどの竿物もピアノもバリバリ演奏出来ちゃい、かつ俳優としても活躍するマルチプレイヤーさんなんです!

音源プラグイン

メーカー 品番 販売価格(税込) 通常価格 ご購入URL
Spectrasonics Keyscape ¥34,185 ¥43,200 こちら
Spectrasonics Trilian ¥24,700 ¥35,424 こちら
Spectrasonics Omnisphere 2 ¥40,390 ¥60,480 こちら

今でこそ多数のプラグインを所有しているというフィネアス・オコネルですが、初期の楽曲は殆どLogic Pro Xの付属音源のみで制作しており、そして更に興味深いのはデビューアルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? 』では、打ち込み部分はLogic付属音源とSpectrasonics社の1万を超えるプリセットを有する最強格のシンセ音源『Omnisphere』と世界中の鍵盤楽器を10年かけて集めてプラグイン化したキーボード音源『Keyscape』、アコースティック、エレキ、シンセとあらゆるベースサウンドに対応する業界最高峰のベース音源『Trillian』のみで構成されている事。

フィネアスはSpectrasonics社のプラグインを相当愛しているそうです。

担当もこれ等のプラグインは全部持ってますが…いやはや、どうも、参りましたね…('Д')



いかがでしたでしょうか?

簡単にではございますが、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)とFinneas O'Connell(フィネアス・オコネル)の使用している音楽機材についてご紹介させて頂きました!

彼らの才能と音楽への熱意、そして途方もない努力があっての今回のグラミー賞受賞なのは間違いありません。

しかしながら、宅録機材でこの次元へ到達出来た事は間違いなく世界中の多くのアマチュアミュージシャンたちに勇気と希望を与えた事でしょう!

上記のほぼすべての機材は当店でも絶賛お取り扱い中で御座います。

気になるモデルがございましたら、ぜひ一度お問い合わせ下さい!


この記事の投稿スタッフ

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投稿者 立浦
プロフィール 高校1年からエレキギターをはじめ、大学卒業まで月のアルバイト代の殆どをバンド活動、それに伴う機材に費やしてきた人柱。そして一児のパパ。これまでに買ったギターやベースなどの竿ものは15本以上、エフェクターに関しては30台を超えてからは数えていません…その他にもシンセ、アンプ、DTMソフトetc...一体いくら使ったのか、分かりません。でも、でもね!自分で買ってきたからこそ、商品の使い方はもちろん、良いところも悪いところもなんでもご提案出来る自信がありますよ!当店ではそんな経験を生かしてアンプ、エフェクター、シンセサイザー、PA、DTM、DJなど、幅広く担当しております。貴方にピッタリな楽器、是非一緒に探させてください!

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店舗名 島村楽器 名古屋パルコ店
担当 立浦(たてうら)
電話番号 052-264-8316

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