2012年12月5日にリリースされたCubase 7.0 に始まり、0.5 刻みでおよそ1年ごとのバージョンアップを繰り返してきたSterinberg 社のCubase Pro/Artist ですが、やはりというか先日の「Cubase Pro Review」(2015年12月3日/Red Bull Studios Tokyo Hall)のタイミングで、新たなCubase Pro 8.5/Cubase Artist 8.5 が発表されました。
過去のバージョンアップを振り返ると、7.0から7.5へバージョンアップした際には、、「Groove Agent SE 4」や「HALion Sonic SE 2」などの新たなソフトシンセや「REVelation」「Magneto 2」エフェクトプラグインなどが追加されており、ユーザーインターフェースにも、「Instrument (T)rack 2.0」などが加わり、マイナーバージョンアップとは思えない程の変わりようでした。
7.5 からPro 8.0 へのバージョンアップでは、ミックス機能が強化されVCAフェーダーやバージンテリトリー機能、ダイレクトルーティング機能の実装により、音楽制作からエンジニアリング作業まで、「Cubase Pro 8」内で全て完結する完成度に仕上がりました。さらにオーディオエンジンが刷新され、ASIO-Guard 2に進化。個人的には永らく待ちわびていた新しいワークスペースオーガナイザーにより、ウィンドウの自由度が増した点も非常に高ポイントでした。プラグインエフェクトでは、「VST Bass Amp」やQuadrafuzzの復刻版「Quadrafuzz v2」、「Multiband Compressor」、「Multiband EnvepopeShaper」、「MultibandExpander」などが追加され、特に「Multiband Compressor」は個人的にPro 8.0 になってから一番お世話になったエフェクターとなりました。
さて、今回発表となった「Cubase Pro 8.5/Artist 8.5」について簡単にご説明いたします。
品名 | 品番 | 価格 | 発売日 |
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スタインバーグ ソフトウェア 『Cubase Pro 8.5』 |
CUBASE PRO/R | オープンプライス | 2015年12月3日 |
CUBASE PRO/E | オープンプライス | 2015年12月3日 | |
スタインバーグ ソフトウェア 『Cubase Artist 8.5』 |
CUBASE ART/R | オープンプライス | 2015年12月3日 |
CUBASE ART/E | オープンプライス | 2015年12月3日 |
- 品番の末尾は次のものを示します。R:通常版、E:アカデミック版
- アカデミック版は、学生、学校教員の皆様向けの優待販売版です。ご発注の際には、学生証、教員証等のコピーが必要となります。
- 「Cubase Pro」「Cubase Artist」は、以前に購入されたパッケージであっても、アクティベートを実行する時点での最新版ライセンスがアクティベートされます。本製品への対応は、12月3日(木)深夜を予定しています。これ以後にアクティベートされた場合、「Cubase Pro」では「Cubase Pro 8.5」、「Cubase Artist」では「Cubase Artist 8.5」のライセンスがアクティベートされ、最新バージョンのインストーラーがダウンロードできます。
- 特別優待期間(Grace Period:グレースピリオド)について: 2015年10月15日(木)以降に、「Cubase Pro 8」および「Cubase Artist 8」をご購入されライセンスのアクティベートされたお客様は、それぞれダウンロード版の『Cubase Pro 8.5』『Cubase Artist 8.5』に無償でバージョンアップいただけます。詳細はスタインバーグサイトにてご案内いたします。
- アップデート版(UD)、アップグレード版(UG)は、Steinberg Online Shop でダウンロード販売を行います。詳細はスタインバーグサイトをご参照ください。
販売価格について
今回の品番「CUBASE PRO/R」、「CUBASE PRO/E」、「CUBASE ART/R」、「CUBASE ART/E」に関して、正式な販売価格は未だ告知されていないのですが、旧品番のこちらの製品でも今から(正確には2015年10月15日以降に)ライセンスのアクティベートを行えば、「Cubase Pro 8.5/Artist 8.5」としてソフトウェアをダウンロードできますので、お急ぎの方はこちらの購入をご検討下さいませ。
品名 | 品番 | 販売価格 | コメント |
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Cubase Pro 8 | CUBASE PRO 8/R | ¥59,400(税込) | 通常版。今ご購入頂けると Cubase Pro 8.5版 がダウンロードできます。 |
Cubase Pro 8 | CUBASE PRO 8/E | ¥41,040(税込) | アカデミック版。今ご購入頂けると Cubase Pro 8.5版 がダウンロードできます。 |
Cubase Artist 8 | CUBASE ART 8/R | ¥32,400(税込) | 通常版。今ご購入頂けると Cubase Artist 8.5版 がダウンロードできます。 |
Cubase Artist 8 | CUBASE ART 8/E | ¥19,440(税込) | 通常版。今ご購入頂けると Cubase Artist 8.5版 がダウンロードできます。 |
- アカデミック版は、学生、学校教員の皆様向けの優待販売版です。ご発注の際には、学生証、教員証等のコピーが必要となります。
「Cubase Pro 8.5/Artist 8.5」動作環境
対応OS | Mac OS 10.10、10.11(32bit/64bit) | Windows 7、8.x、10(32bit/64bit) |
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CPU | Intel デュアルコアプロセッサー | Intel/AMD デュアルコアプロセッサー |
必要メモリー | 推奨 RAM サイズ: 8 GB (最低 4 GB) | |
ハードディスク | ディスク空き容量: 15 GB 以上 | |
ディスプレイ | 推奨ディスプレイ解像度: 1920 x 1080 - フルカラー (最低 1366 x 768 以上) | |
オーディオデバイス | OS 対応オーディオデバイス (ASIO 対応デバイス推奨) | |
その他 | ダブルレイヤーDVD-ROMドライブ USB端子:Cubase付属のUSB-eLicenser(コピープロテクトキー)接続用 インターネット接続環境:プログラムダウンロード、ライセンスアクティベーション、 ユーザー登録など |
- 上記の動作環境・推奨環境を満たしている場合でも、全てのコンピューターにおける動作を保証するものではありません。
- コンピューターの総合的な性能により同時に使用可能なトラック数などパフォーマンスに違いがあります。
主な特長
遠隔地同士での共同音楽制作を可能にするクラウドサービス「VST Transit」
高い次元でファイル共有をおこなうクラウドサービス「VST Transit」を新搭載。「Cubase Pro 8.5」「Cubase Artist 8.5」を使えば、ネットワーク音楽制作環境を簡単に構築することが可能となります。遠隔地同士で同じファイルにアクセスできるため、メールでの作業内容の伝達や、煩雑になりがちなファイルバージョンの管理から開放されます。
- 500MBのストレージ容量と月あたり1GBまでの通信は無料です。追加のストレージと通信が利用できるプレミアムアカウント(有料/2016年1月中旬から提供開始予定)の提供を予定しています。詳細はスタインバーグサイトをご覧ください。
さまざまな環境設定を切り替えられるプロファイルマネージャー(「Cubase Pro」のみ)
ショートカットキーやマクロ、ポートの設定など、さまざまな環境設定を保存して切り替えることができるプロファイルマネージャー機能を搭載。プロファイルには、以下の内容を記録することができます。
- 環境設定
- すべてのウィンドウのツールバー設定
- グローバルワークスペース
- トラックコントロールの設定
- トラックコントロールのプリセット
- 入出力バスのプリセット
- プラグインコレクション
- クオンタイズプリセット
- クロスフェードプリセット
- キーボードショートカット
プロファイルは、複数のコンピューターを使用し、プロジェクトの種類によって異なる設定を使用する場合や、複数のユーザーが同じコンピューターで作業するスタジオ環境などで役立ちます。
さらに充実したオーディオ編集機能とソフトウェアシンセサイザー
オーディオやMIDIトラックを簡単にバウンスできる「インプレイスレンダリング」やリアルタイムに演奏したデータからの「MIDIテンポ検出」、オーディオのピッチやタイミングを自由に変更でき、検出したピッチをMIDIデータ化することもできる「VariAudio 2.0」(「Cubase Pro」のみ)に加え、MIDI・オーディオともに高いクオリティで編集・再生できる機能がさらに充実しました。
オーディオファイルのタイミングを自由に編集できる「AudioWarp」とオフラインタイムストレッチのアルゴリズムにzPlane社 のelastique v3 アルゴリズムを搭載、倍率の高い引き伸ばしにおいても音質劣化の少ない編集結果が得られます。
Retrologue 2
バーチャルアナログシンセサイザーは「Retrologue 2」に進化。3オシレーター、4LFOなどの基本性能の刷新に加え、32ステップのアルペジエーターとRESONATER、EQ、PHASER、MOD FX、DELAY、REVERBといったエフェクトも装備し、強烈なサウンドで音楽制作をサポートします。
この他、リズムトラックの構築に威力を発揮する「Groove Agent SE 4」、1,000以上の音色をもつ「HALion Sonic SE 2」など、創造力をかき立てるさまざまなソフトウェアシンセサイザーを付属、作曲からミキシング、マスタリングに至るまで、すべての場面で活用できるエフェクトも満載しています。
作業効率を向上させるさまざまな進化
ソロなど一部のフレーズの録音でよく行われるパンチレコーディングの際、再生時のループや書き出し範囲などを設定する左右ロケーターとは別にパンチイン/アウトポイントが設定できるようになりました。録音する区間の前から再生し、ループ区間の内側をパンチレコーディングできるので、ループ再生しながら何度もパンチレコーディングにトライするのに便利です。
また、MIDIノート入力や編集に欠かせないキーエディターとドラムエディターは、選択ツールのままダブルクリックでノート入力、さらにそのまま長さやベロシティーの変更が可能となり、ツールを切り替えずにスムーズな入力ができます。
さらに、オーディオトラックを新規作成する際のトラックの出力先選択、ルーラー上部のダブルクリックでの再生、トランスポートパネルの刷新、スピーディーかつ正確なミキシングがおこなえるように進化したMixConsoleなど、編集やレコーディング作業を効率的におこなえるようにさまざまな改良を施しています。
お問い合わせ
今回のバージョンアップでは、過去の7.0から7.5へ、7.5から8.0への変化に比べると地味に感じるかも知れません。 個人的には「VST Transit」というCubaseをクラウド化する機能の進化に期待しています。 メンバーでアイディアを持ち寄って楽曲をまとめ上げるのも楽しそうなのですが、私的には、現在の機能がより強化されて、楽曲のバージョン管理をクラウドでできるようになると非常に便利だなと思います。 例えば任意の点でFIXしたり、好きなポイントにロールバックできたり、そこから新しい派生バージョンが作れたりといったような、ソフトウェアのバージョン管理システムみたいなものです。 それが、自宅のデスクトップであっても、スタジオに持ち込んだノートであっても、出先で簡単にチェックイン/アウトできるようになると、独りで楽曲を制作する人にも非常に魅力的な機能になる可能性があると思いますが、みなさまはどのようにお考えでしょうか。
私も12月6日に「Cubase Pro 8.5」にアップグレードして使いはじめています。Pro 8.0 と比較して大きな変更はありませんが、細かな部分で使い勝手が良くなっている箇所も多く、とても満足しています。 特にパンチイン/アウトのポイントをループ区間とは別に細かく設定できるようになったのが非常に便利。ギターやキーボードの録音に非常に重宝しています。
イオンモール宮崎店では、Cubaseの他にもDTMやVOCALOID™に関する様々な機材やソフトウェア、教本などを取り揃えております。「DTMやVOCALOID™を始めてみたいけど、PCの設定など色々と難しそう」といった不安なども専門スタッフが解決いたします。 お気軽にご相談ください。
みなさまのご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。
店舗名 | 島村楽器 イオンモール宮崎店 |
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電話番号 | 0985-61-7760 |
担当 | 楠 浦(くすうら) |
お支払い方法
店頭でのお支払いは以下の方法をご利用頂けます。
- 現金
- クレジットカード
- ショッピングクレジット
- デビットカード
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