スタッフ西野のウクレレ与太話 Vol.6「ウクレレの選び方・サイズの違い編」

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2018年10月13日

[!!西野は2020年8月よりモレラ岐阜店に異動しました!!] 島村楽器松本パルコ店 ウクレレ担当の西野です!このウクレレ与太話、前回のVol.5から気が付けば9ヶ月も経っていました。月2回ペースで始まった企画が今では年2回に、、、記事を楽しみにしてくださっている皆様のために、鉄骨のように重くなって […]

西野は2020年8月よりモレラ岐阜店に異動しました

島村楽器松本パルコ店 ウクレレ担当の西野です!このウクレレ与太話、前回のVol.5から気が付けば9ヶ月も経っていました。月2回ペースで始まった企画が今では年2回に、、、記事を楽しみにしてくださっている皆様のために、鉄骨のように重くなってしまった筆をなんとか持ち上げることができました。いつも応援ありがとうございます!今回のテーマはずばり「ウクレレの選び方」について書こうと思います。何回かに分けて書きますが、今回は質問も多い「サイズの違いについて」です!どうぞお楽しみください♪

ウクレレのサイズ

ウクレレには、他の楽器にはない特徴があります。それはサイズが選べるということです。

他にもサイズが選べる楽器はいくつかあります。バイオリンやチェロのような弦楽器はお子様用に1/16、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4という感じで「分数サイズ」というものがあります。単純に身体のサイズに合わせて選びます。最終的にフルサイズ(4/4)という一般的なサイズの楽器が弾けるようになったら、もう分数サイズの楽器を使うことはありません。身長190cmの男性も、身長150cmの女性も、同じサイズのバイオリンを使います。

しかし、ウクレレは違います。単純に身体のサイズによって適した楽器のサイズが決まるわけではありません。身体の大きな男性がソプラノサイズを使うこともあれば、小柄な女性やお子様がテナーサイズを使うこともあります。それはなぜでしょうか?

楽器にとって最も重要な要素「音」が違うからです。

サイズの違いによる「音」の違い

ウクレレはサイズごとに「ソプラノ」とか「テナー」という呼び方をするので、ソプラノは音が高くてテナーは音が低いんですか?というご質問をいただくことがあります。たしかに、声楽(オペラ)や管楽器(サックスなど)ではソプラノ、アルト、テナー、バリトンといった順に音域が低くなっていきますが、ウクレレは違います。一般的にはソプラノからテナーまでサイズが変わっても同じ音程(GCEA)にチューニングしますので、同じコードを弾けば同じ音程になります。(バリトンウクレレだけはギターの1~4弦と同じ音程のDGBE(Low-D)チューニングが標準です。ライルリッツなどテナーでもDGBE(Low-D)にしているプレイヤーもいます。この部分についてはまたあとでお話しします。)

音域が同じなのに「音」が違うとはどういうことなのか。メーカーの違いやボディ材の違いなど「音」に影響する項目はたくさんありますが、今回はサイズの違いによる「音」の違いに的を絞ってお話ししたいと思います。「音」に関しては感じ方に個人差がありますので、あくまでも参考程度に受け取ってください。「音」の違いを確かめるのは実際に自分で弾いてみるのが一番です。

ボディサイズが大きくなると音も大きくなる?

少し話がそれますが、ボディが大きくなると音量も大きくなるという話を耳にしたことがある方は多いと思います。スピーカーでいうと箱の部分になるボディは、大きい方が大きい音が出るというのは間違いないのですが、気を付けていただきたいポイントがあります。それは「鳴らしやすさ」です。

ボディサイズが大きくなると、ボディトップ(表板)の面積が大きくなります。大きな表板をしっかり響かせるためには、弦をしっかりと振動させてあげる必要があります。ソプラノは軽く弾いても音量が出やすいですが、テナーは軽く弾いただけでは音量が出にくいです。逆に強く弾いたとき、テナーはとても強く大きな音が出ますが、ソプラノで強く弾きすぎると音が潰れてしまいます。ボディの大きさとは関係ありませんが、表板が合板でできていたり、薄く作られているものは鳴らしやすい傾向がありますが、ボディ全体が響く深い音色というよりは表板だけが響く軽い音色になりがちです。個人的には適度に厚みのある板を適正な力でしっかりと鳴らしてあげた方が、良い音がすると思います。

ボディサイズで変わる「弦長(スケール)」の影響

サイズが変わると弦長(スケール)も変わります。弦長とはナットからサドルまでの距離の事で、ソプラノで345mm~360mmくらい、コンサートで380mmくらい、テナーで430mmくらいです。弦長は音色に大きく関わる要素のひとつです。弦長が短いソプラノに比べて、長いテナーは弦の張り(テンション)が強くなります。弦の張りが強くなると音が硬くなり、音の伸びが良くなる傾向があります。音色とは関係ないですが、弦を押さえるのに必要な力も大きくなります。弦長が長くなるとフレットの間隔も広がるので、手の小さな方や初心者の方には弾きにくく感じるかもしれません。ソプラノサイズがとくに女性の初心者に好まれるのにはそういった理由もあります。初心者の場合、音の違いより「弾きやすいかどうか」の方が重要だったりします。

テナーでのDGBEチューニングについて

先ほどライルリッツがテナーウクレレをDGBE(Low-D)チューニングにしているという話をしましたが、通常のGCEA(Low-G)チューニングに比べて全弦2音半ずつ音程を下げているので弦のテンションが緩くなり押弦しやすく、音色もまろやかになります。ライルリッツはこのチューニングでジャズをコードソロというスタイルで演奏しています。特徴的な音色で、個人的にも彼のスタイルは大好きでよく聴いています。皆さんも良かったら是非聴いてみてくださいね!

各サイズの特徴

ソプラノ

弦長が短く、弦のテンションが弱い。押さえやすい。表板の面積が小さいので弱い力でも鳴らしやすい。温かみのある、柔らかい、ウクレレらしい素朴な音色。サスティーン(音の伸び)は短め。弦の張力が緩くジャカジャカ弾きやすい。

コンサート

ソプラノとテナーの中間的な立ち位置で、両方の要素を持っています。1本で対応できる範囲が広いオールラウンダー。

テナー

弦長が長く、弦のテンションが強い。押さえるのに力がいる。表板の面積が大きいのでしっかり鳴らす必要がある。張りの強い堅めの音。音の粒がはっきりしていて、音が良く伸びる。ウクレレらしさは減り、ギターに近い音色になる。

実際に聴き比べてみよう!

西野がKAMAKAのソプラノ、コンサート、テナーを試奏した動画です。同じメーカー、同じ材、同じグレードでサイズの違う3本を聴き比べてみましょう。ヘッドホンで聴くとより違いがわかりやすいです。持ったときの大きさの違いもよくわかりますね。

ソプラノ KAMAKA HF-1

コンサート KAMAKA HF-2

テナー KAMAKA HF-3

島村楽器オリジナルブランドCOTONE(コトネ)ウクレレのカスタムシリーズ4機種を弾き比べた動画も参考になると思いますので、ぜひこちらもご覧ください!

まとめ

身体のサイズに合わせてウクレレを選ぶというのもひとつの方法ですが、楽器である以上「音色」も重要な要素ですよね。とりあえずなんとなくソプラノで始めたという方も、お店でコンサートやテナーを弾いてみるときっと新たな発見があると思います。私自身はコンサート、テナーを所有していません。ソプラノばかり何本も持っているのですが、それはソプラノの音色が大好きだからなんです。見た目もかわいらしくて好きです。松本店ではソプラノからテナーまで常時40本以上展示しておりますので、ぜひ弾き比べにいらしてください!

この記事を書いた人

島村楽器松本パルコ店 ウクレレ担当:西野

ウクレレの累計販売額が島村楽器全店でダントツの1位。国内の多くのウクレレ製作家ともコネクションを持ち、豊富なウクレレの知識と経験を活かし、ウクレレをはじめたい人、すでに楽しんでいる人の役に立つことをモットーに活動中。

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ウクレレ担当 西野(にしの)

ウクレレを選ぶなら、島村楽器松本パルコ店で!専門店にもひけをとらない品揃え!

初心者も安心なリーズナブルな入門ウクレレから、マニアも唸るスペシャルなウクレレまで常時50本以上ご用意して皆様のご来店をお待ちしております!試奏スペースでじっくりお選びいただけます♪

当店ではとくに地元信州・長野県内の工房のウクレレを豊富に取り揃えております!(都内の専門店にもないような珍しいウクレレも結構あります!)1万円以下で買えるリーズナブルなウクレレもちゃんとあります!店頭の商品はすべてお試しいただけます!これだけあれば、あなたにとって最良の1本がきっとみつかります!ご希望の方にはウクレレ担当西野が選定のお手伝いをさせていただきます♪

店頭にない商品の試奏や、オーダーメイドウクレレのご相談も承っております!

まずはウクレレ担当西野までお電話ください♪

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