木材による違い
主に使われるのは「杉」と「松」
手工ギターの表板として重宝されている高級材は、主にドイツ松(German Spruce)とカナダ杉(Canadian Cedar)です。それぞれ特性の違う松と杉の特徴を簡単に説明いたします。
松(スプルース)
クラシックギターで王道の表材といえば松です。ヤニ成分を持つ松材独特の「粘り」があるので大変良い響きを発揮できます。ですが、製材したてのものは水分やヤニを必要以上に多く含まれているため、除去する手間隙と経年乾燥が必要になります。それゆえ、松は最初あまり鳴りが良くないと一般的にはいわれており、長年弾き込んでいくごとに徐々に音量と音質が向上していき、最終的には非常に良好な鳴りと上質な音色へと成長していくのです。中でもドイツ松は高級手工クラシックギターなどで使われている王道中の王道の高級材として、大昔から今もなおギター職人達の製作意欲をかき立て続けています。
杉(シダー)
王道木材の松を凌ぐ勢いで人気の表面材が杉です。カナダは良質の杉が取れることでギター職人達に重宝されています。比較的柔らかい材質のため、音質は甘めのトーンとです。側裏材に硬い木材を組み合わせることで鳴りと音質を向上できるようです。ヤニ成分が少なく松材ほどには粘りがないですが、比較的早く木材として使えて加工もし易く、完成直後から即戦力になる大きな音の鳴りを発揮できるという利点があります。
その他の表板
松や杉以外では、例えばフラメンコギターなどでは『シープレス』などが表板でよく使われていますし、他には『マホガニー』『メイプル』『コア』などが見られます。
側板と裏板の材
側板や裏板には割と多種多様な木材が使われていますが、多いのは『ローズウッド』や『マホガニー』などで、他には希少材の『ハカランダ』や『ココボロ』など、一般材では『シープレス』『シカモア』『メイプル』『ナトー』『ブビンガ』『コア』『ワイルドチェリー』『ウォルナット』『バーチ』など多岐に渡り、これらもやはりそれぞれに音質の違いがあり、表板材と側裏板材の組み合わせ、さらにはギター職人各自による良材の選定と、ふるう加工技術、そして個体差などの違いが加わって、様々な個性のある音色のクラシックギターたちが生み出されるのです。
3つの生産ラインによる質の違い
工場量産品
工場で大量生産することによりコストを抑える事が可能です。量産ゆえに細かいところまでは手が回らないことも。価格は安いものだと2万程度からあり、中国製やインドネシア製が多く、アコースティックギターを作る工場で作られることが多いです。
分業手工品
数人~数十人の職人達が手作業でギターを制作。量産はできませんが、細かいところまで精度の高い製作が可能。価格は7万程度から。生産国は様々ですが、国内で見かけるのは日本もしくはスペイン製が多いです。
完全手工品
職人一人で全ての工程を行い製作。それゆえにブランド名はなく、その製作家の名前がブランド名となります。クラシックギターはこの完全手工品として製作されたものが一般的と言われています。全てにおいてハイクオリティーであるが、生産本数が少なく価格も30万程度からとなります。生産国は様々ではありますが、ドイツ、スペイン、イタリア等は多くの製作家がいます。
価格による違い
楽器は同じ楽器でも価格がたくさんあります。そんな価格の差はいったい何なのかを簡単にご説明致します!
1~2万円程度<工場量産品>
この価格帯は合板といってギターの音の要となる木の板が2枚の板で合わさって出来たものです。
メリットは低価格でなおかつ頑丈ということです。
デメリットは板を合わせることでギターの響きを妨げ、ギターが綺麗に響いてくれなくなってしまいます。いわゆる弾いていて心地良いという音は比較的出にくいです。
2万~3万円程度<工場量産品>
この価格帯はだいたいのモデルが表板のみ単板仕様になります。
ギターの1番響く表側の板を1枚の板にすることで響きを損なわず、先程の価格帯とは劇的に音が変化します。デメリットは耐久性が合板に比べて低くなることから扱いに注意が必要になってきます。
3万~5万円程度<工場量産品>
この価格帯は単板の中でも木材が変化してきます。木材の違いは音にダイレクトに影響するので重要なポイントになってきます。
この価格帯ではギターの横と裏側の木がローズウッドを使われることが多く、見た目もサウンドも高級感が増します。
5万~10万円程度<工場量産品><分業手工品>学生さんにオススメ!
この価格帯は上記の仕様にさらに高級感がでます。例えば指板にエボニーという高価な木材が使われたりすることで、見た目は手工品にぐっと近づきます。
さらに高価な松などが使われることもあり、より響きの良いクラシックギターになります。
さらに、コダイラによる国産のチームビルド(分業手工品)ギターが出てきますので、この価格帯からぐんと質が上がります。コダイラギターは学校の部活やサークル等の推薦機材として選ばれており、日本屈指のギターメーカーとして髙い人気を誇っています。
10万~12万円程度<工場量産品><分業手工品>
ここからはオール単板といわれるモデルが出てきます。上記でご説明した単板を、表や横裏にも全て採用しておりギター全体の響きが大きく変わります。手工品と構造上はほぼ同じになります。またメンテナンスを細かく行っていけばかなり長く使っていただくことができます。
12万~20万円程度<工場量産品><分業手工品>
この価格はオール単板モデルや、あえて合板にするモデルなどがあります。
あえて合板仕様にして特殊な製作方法を取り入れることで大きな音量で演奏することが可能になり、ホールなどで演奏される方などに好んで使われることがあります。
20万~26万円程度<工場量産品><分業手工品>
この価格になるとほぼすべてのモデルがオール単板になります。もちろん響きはよくなりますし使われている木材が高級材になってきます。弾き手の細かいニュアンスや経年による音質の変化などクラシックギターの醍醐味もダイレクトに感じて頂けるようになってきます。
26万~30万円程度<工場量産品><完全手工品>
ここからは手工品と呼ばれる製作家が製作や監修をしているモデルが出てきます。
手工品は製作家によってこだわるポイントや癖などが大きく変わってきますので同じ木材や同じ構造でもサウンドが変わります。同じクラシックギターでも色んな顔がでてくるのがこの価格帯です。
30万~80万円程度<完全手工品>演奏機会のある方にオススメ!
かなり広範囲ですがこの価格帯が国内外の個人製作家の手工品といわれるモデルが多く存在します。「30万円以上からがクラシックギター」とよく言われるのはこのためでしょう。
木材選びから組み立て、人それぞれの構造や塗装1つ1つにもこだわり、いわば作品と呼べるような物が多く、ルックスもサウンドもかなり良いですしメンテナンスをしっかり行えば半永久的に使うこともできます。いわゆる職人のサウンド!ぜひこの価格のもので一生使いたいですね!
100万円前後<完全手工品>プロの演奏家は最低限このクラス以上
現役でかなり有名な海外の職人の楽器がこのあたりの価格帯になります。海外ならではの明るい倍音など、他では得られないサウンドを出すことが出来ます。また、国内で最高級材「ハカランダ」などを使用したモデルもこの価格帯が多いです。
1度弾いてみるとその魅力に惹きこまれます。
400万円以上<完全手工品>
巨匠と呼ばれるような職人の楽器です。
この価格帯になるとハカランダかローズかは予算の問題ではなく、製作家の信念でしょう。また、希少価値が価格に乗っている場合もあります。いわゆるプレミア価格ですね。1度は触ってみたいものです。
クラシックギターをお探しのお客様、ぜひイオンモール幕張新都心店へお越し下さいませ。各メーカーの違いなど、スタッフがしっかりとご説明致します。お客様にぴったりの1本をご提案させていただきます。
入門モデルから上級者モデルまで、幅広いラインナップで皆様のお越しをお待ちいたしております。
お支払い方法
店頭でのお支払いは以下の方法をご利用頂けます。
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毎日 | 6時間まで無料。以降20分毎に100円。一日最大1,000円。 |
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アクセス方法について、更に詳しくはこちらをご覧下さい。
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