島村楽器の弦楽器フェスタを10倍楽しむ方法 Vol.1【全4回】

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2017年04月20日

弦楽器フェスタを10倍楽しむ方法 Vol.1

皆様こんにちは、弦楽器担当の大道です。
弦楽器フェスタ2017春の開催まで1ヵ月が切りました!
これまでご来場されたことのある方も、まだない方にも楽しんでいただけるように、4回に渡って見どころをご紹介いたします
弦楽器フェスタ2017春開催!5/19(金)~21(日)コンサート同時開催いたします!IN島村楽器グランフロント大阪 
5月20日(土)井阪美恵ヴァイオリンコンサート 弦楽器フェスタ2017INグランフロント大阪店特別企画

コンサート曲目を予習して臨む

他の音楽ジャンルや芸術でも同じですが、クラシックの作品は、作曲家がどんな人で、どんな人生を送り、どんな境遇でその曲を書いたのか、などを知って聴くと、今までとは違った聴こえ方をすることが多々あります。
それは、作った人が伝えたいことが、たくさんありすぎるからかもしれません。
コンサート会場で初めて聴くというの楽しみ方もありますが、どんな曲なのかを知っていると、「今回の奏者は、あの部分をどうやって弾くんだろう?」という楽しみ方ができる余裕も生まれます。
ではコンサートを楽しめるように、予習してみましょう!

5月20日(土)13:00~ 井坂美恵ヴァイオリンコンサート

井阪美恵 弦楽器フェスタ ヴァイオリンコンサート

エルガー 愛のあいさつ

旋律を聴くと誰もが知っていると思います。エルガーはイギリスの作曲家ですが、いかにも紳士の国らしい落ち着いた品のあるメロディーが魅力。
エルガーが婚約したときに、婚約者へ送った曲です。しかし、エルガー自身はカトリック、婚約者はプロテスタントという宗教の違いや、身分の違いによって、結婚を反対されていました。まるでロミオとジュリエットみたいですね。その反対を押し切り、結婚をしました。是非エルガーの気持ちになってみて聴いてみてください。
愛のあいさつを聴く

ドビュッシー ヴァイオリンソナタ

印象派を代表するフランスの作曲家で、光の陰影や表情豊かな自然の色彩を音楽で表現しました。
拍子や調性も、それまでの決まりに捕らわれず自由に作曲し、どんどん新しいことをしていった人です。
時には日本絵画などからもインスピレーションを得て、日本的な音階を感じさせるメロディーも出てきます。そして今でも演奏される曲が非常に多いです。
そのドビュッシーが最後に書いたのがこのヴァイオリンソナタでした。
晩年癌と闘いながら、第一次世界大戦の最中作られた曲です。
ドビュッシー バイオリンソナタを聴く

シューマン 3つのロマンスより第2曲

ピアノ曲や歌曲をはじめとして、室内楽や交響曲でも素晴らしい作品を残しているドイツの作曲家です。
父親が本屋、出版社をしており、本人も文学の才能を持ち合わせ、彼の音楽に内包される哲学性に、シューマンのオリジナリティを感じさせます。
30代のころから、たびたび幻聴や病気に悩まされ、晩年には発狂して入水自殺も図りました。それらは彼の、繊細さや思慮深さ、優しさからくるものだったように思えます。
3つのロマンスは病気と闘いながら、それを克服し、円熟期とも言える、素晴らしい作品を残した時期に作られました。
オーボエとピアノのための楽曲ですが、バイオリンでお楽しみいただきます。
シューマン 3つのロマンスを聴く

チャイコフスキー ワルツ・スケルツォ

同性愛者であり、恐妻家であり、服毒自殺で人生を閉じたロシアの作曲家です。
チャイコフスキーは、鋭い眼光であったり、哀しそうな目をしていたり、辛そうな表情が多く、陰りのある肖像画を目にすることが多いです。
しかし、暗い曲ばかりではなく、豪華絢爛な曲や、温もりや優しさを感じる曲、かわいらしい曲など様々な表情を見せてくれます。
メロディーメーカーとして評価が高く、とりわけワルツは得意とするところで、彼の代表作3大バレエ「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」などのワルツは単独で演奏される機会も多い人気曲です。
ワルツスケルツォもは美しく優雅なメロディーを味わえつつ、終盤では名人芸とでも言うべき奏法が必要とされる、見ても、聴いても楽しめる贅沢な一曲です。
チャイコフスキー ワルツ・スケルツォを聴く

サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ

バイオリンソロのとして、演奏される機会が非常に多い人気の高い曲です。
バイオリンの超絶技巧と言えば、バイオリンの名人サラサーテが作曲した「ツィゴネルワイゼン」を思い出す人も多いのではないでしょうか。
サン=サーンスはサラサーテとも親交があり、彼が弾くことを想定し、技巧的な要素とスペインを思わせるテイストを曲に織り交ぜました(初演もサラサーテ)。
そういわれて訊いてみると、構成や雰囲気が「ツィゴネルワイゼン」似てるかも?
同じフランスの作曲家ドビュッシーは掴みどころのない魅力を持つ部分がありますが、それに対して優れたオルガニストでもあったサン=サーンスは地に足の着いた和声の重厚な響きが魅力です。
サン=サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソを聴く

5月21日(日)14:00~ 島村楽器講師による弦楽アンサンブルコンサート

弦楽器フェスタ 講師コンサート 安東フミ 海老久美子 江川友梨

クライスラー 中国の太鼓(ソロ)

クライスラーはオーストリア出身で自身が非常に人気のあるバイオリニストで、バイオリンの小品を数多く残しました。
『中国の太鼓』は名前からバイオリンで太鼓の音を表しているように思いがちですが、実は太鼓を表現しているのは伴奏のピアノです。バイオリンはその上で、軽やかに舞うようにエキゾチックなメロディーを弾きます。全体的に肩の力を抜いて、楽しく聴ける曲です。弾く方は大変だと思いますが(笑)
クライスラー 中国の太鼓を聴く

クライスラー プニャーニの様式によるプレリュードとアレグロ(ソロ)

クライスラーは過去の作曲家の曲から、メロディーを一部拝借して作曲(編曲)することが多いのですが、過去の作曲家の作風を真似て作ったオリジナル曲を、過去の作曲家のものとして演奏していました。
それは「騙すため」ではなく、「全部自作の曲だと聴衆が飽きるから」「クライスラーの名前がついていたら、他のバイオリニストが演奏しにくいだろう」といった配慮からくるものでした。
あるきっかけで、その真相が世間に広まり、大ニュースになりましたが、炎上することはなく既に名声を得ていたこともあり、逆に広く演奏されるようになりました。
この曲はプニャーニというバロック時代イタリアのバイオリニスト・作曲家の作風を取り入れたクライスラーのオリジナル曲です。
ダイナミックに始まるプレリュードと、様々な技巧を必要と変奏曲のアレグロので構成されており、非常にカッコいい曲です。
クライスラー プニャーニの様式によるプレリュードとアレグロを聴く

ドヴォルザーク 弦楽三重奏のための「ミニアチュール」より1・2楽章

「遠き山に日は落ちて」と聴くと、メロディーが思い浮かび懐かしさがこみ上げてきます。ドヴォルザークの作る曲には、郷愁を感じさせてくれる美しく魅力的なメロディーが多いです。
この弦楽三重奏のための「ミニアチュール」は演奏される機会が少ないですが、メロディーを聴くとドヴォルザークらしさを感じると思います。
本人がバイオリンやビオラを演奏したことからか、弦楽アンサンブルを数多く残しています。
通常弦楽三重奏というとバイオリン、ビオラ、チェロという編成ですが、この曲は変則的で2本のバイオリンとビオラで演奏されます。この編成だからこそ聴ける響きをお楽しみください。
ドヴォルザーク 弦楽三重奏のための「ミニアチュール」を聴く

島村楽器の弦楽器フェスタを10倍楽しむ方法 Vol.2予告

今回の弦楽器フェスタのテーマは~Viva "Guarneri"(ビバ ガルネリ)~です。直接買い付けたイタリア新作のガルネリコピーたちを、エピソードも交えながらご紹介いたします!

お問い合わせ先

店舗名 島村楽器 ららぽーとエキスポシティ店
電話番号 06-4864-8290
営業時間 10:00~21:00

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