【管楽器リペア通信】サックスお手入れ講座

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2017年06月09日

管楽器リペア通信 サックスお手入れ講座

仙台長町店の管リペアマン南波によるリペア通信

サックスを担当される方へ
サックスって日頃どんなお手入れが大切かをご紹介します!

目次

1、サックスはなんで木管楽器?

2、楽器の組み立て

3、本体とネックの組み立て

4、演奏中・後のお手入れ

5、スワブの通し方

6-2、スワブが詰まってしまったら

6、管体の掃除

7.キイオイルの使い方

8、ケースに保管するとき

9、修理・調整料金

なんで金属でできてるのに木管楽器?

管楽器の木管・金管の分け方は、楽器の素材ではなく発音体(何で音を作っているか)で分けられます。
サックスはクラリネットと同じくシングルリード(リード一枚)の振動によって楽器を演奏します。
フルートも同じ木管楽器ですがフルートは、また別のエアーリードと呼ばれる発音方法で木管楽器に分けられます

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楽器の組み立て

サックスは楽器の本体とネック(吹込み管)、そしてリードを振動させれためのマウスピースに分かれます。
ネックとマウスピースを組み立てる際にネック側にコルクが巻いてあり、マウスピースを程よく固定しチューニングができるようになっています。
しかし、そのまま組み立てたときにコルクの弾力が強く組み立てづらかったり、最悪の場合コルクがはがれてしまったりネックが曲がってしまいます・・・
そのためにコルク部分にコルクグリスを塗布して滑りを良くしてあげましょう!
コルクに薄く塗布して余分に余ってしまったグリスは拭き取ってあげましょう

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マウスピースによってはネックのコルクが合わないことも・・・

サックスのマウスピースは様々なメーカーから多く製造されています。
また素材もラバータイプやメタルタイプがあります
それぞれのジャンルやお客様に合ったマウスピースをお選びできるのですが、マウスピースの内径は大きく異なることがあります。
この場合はお客様のマウスピースに合わせてコルクを削ったり、緩い場合は厚めの新しいコルクに巻き直してあげる必要がございます。

ここからはリペアマンのお仕事です!

修理内容 基本技術料金(税込)
ネックコルク交換 ¥2,800~+別途パーツ代

仙台長町店に持ち込みいただければ一時間ほどでお戻しが可能です!
※状況によってはそれ以上お待ちいただいたり、お預かりになることもあります。

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ネックと本体を組み立て

ネックと本体の組み立てはネック締めネジによって固定をします。
位置をしっかりと合わせて演奏中にずれないように気を付けましょうね!
ネックがきつくて入りづらい時にスライドグリスを塗布される方がいらっしゃいますが、ネックと楽器本体のジョイント部は精密な嵌合(はまり具合)の調整がされています。グリスを塗布したことによりゴミやほこりが付着し傷つけてしまう原因になります。
まずは綺麗なクロスで表面を拭いてみて下さい。細かい汚れを取り除いてあげることが大切です
それでも改善されない場合は無理せずすぐにリペアマンにご相談ください!
また、どんなにネジを締めてもネックが動いてしまう方もリペアによる調整が必要です。

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演奏中・演奏後のお手入れ方法

クリーニングペーパーを使おう

サックスにはたくさんのキイとタンポ(パット)がついています。キイを操作してタンポでたくさんの音孔を塞いであげることによって音が変わるんですね!
このタンポはフェルトと動物の革で作られています。タンポ革には防水加工がされていることがほとんどですが
水分が多く付着するとべたついてしまったり、タンポの寿命を縮めてしまったりします。
タンポは消耗品ですので一定時期で交換になりますが、なるべくいい状態で長くいたいですよね・・・
演奏後はもちろんですが、長時間の練習の場合は一時間に一回ほどクリーニングペーパーを使ってタンポ表面の水分を取り除いてあげましょう。
また管内には多くの水分が溜まります。スワブも使ってしっかりと水分を取り除きましょう!

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リペアマン オススメお手入れアイテム

  • パッドガード

タンポのべたつきがどうしても気になる方へ!

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メーカー 商品名 税込販売価格
ノナカ パッドガード ¥1,100

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スワブの通し方

スワブを管体に通してあげる際、本体はベルからネックはジョイント口から通してください。
まず、しっかりとスワブが絡まってないことを確認してから、重りがついている紐を中へいれます。そして重りの力を使って反対口から出して上げでください。
管内で詰らないようにスワブを引っ張り出してみましょう。
数回繰り返してあげたらOKです!

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練習終わりに急いでスワブの使用は要注意です

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もし、スワブが詰まってしまったら・・・

無理に引っ張ってしまうと逆効果です、焦らずゆっくりと反対方向から引き戻してあげてください。
本体用スワブには重りが付いていない方にも紐があります。
それでも抜け無い場合は無理に続けずにリペアマンにお任せください!
詰まりが軽度の場合はすぐにお戻しすることができます。
しかし重症の場合はお預かりになることもありますのでご了承ください。

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管体のお掃除

楽器の表面は傷の付きにくいクロスで拭き上げてあげましょう!
サックスはほとんどがラッカー塗装がされているモデルになります。
メッキ加工ではないのでシルバーポリッシュなどで磨いてしまうと
ラッカー塗装がはがれてしまい音色などにも大きく影響することがありますので、注意しましょう。
こびれついた汚れはラッカーポリッシュなどを少量使用してみてください。
手の届かないところはトーンホールクリーナーを使用します。

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サックスはたくさんのキイにバネやコルク・フェルトが使われています。無理にお掃除しようとしてしまうとパーツなどが外れてしまうことがありますので、注意してお掃除してくださいね!

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キイオイルっていつどこで使うの?

木管楽器にはたくさんのキイによって組立っていることは分かりましたよね!
たくさんのキイたちはネジやシャフト(芯金)によって支えられています。
その支えられているキイの接点にオイルを差してあげましょう!

キイの動きが悪くなる前に注油がポイントです!毎日演奏される方であれば1~2週間に一回ほどが目安ですかね。
最低でも月一回がオススメです。ポイントを狙って数滴オイルを注してキイを動かしてあげてください。

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残ったオイル・管体表面についてしまったオイルはガーゼなどで拭き取ってください。
オイルが残っていると、そこにホコリやゴミが付着し動作不良の原因になってしまいます・・・
また楽器内のオイルは少しずつ古くなったり汚れてきます。

定期調整など全体調整の際はリペアマンが一つ一つ分解し、古いオイルや汚れをクリーニング・除去し新しいオイルを隅々まで注油します!
演奏者では届かない箇所やパイプ内などはリペアマンのお仕事です!
良いお手入れと定期的な調整・メンテナンスが演奏上達の近道ですね!

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ケースにしまう時に大切なもの

サックスをケースにしまう際に本体側のネックジョイント部にプラグキャップ(エンドプラグ)というものを取り付けます。
これは楽器本体から飛び出しているキイを守る役割をしているのです!
ケース内で動いてしまわないように固定することにもなります
意外と付け忘れてしまったり、なくされてしまった方も多いのではないでしょうか?
これは演奏後の最後の一仕事です!忘れずにつけてあげましょう。
※プラグをつけた後は締めネジを締めないでください!
ネックをつけていない状態でネジを締めてしまうと必要以上にジョイントが縮まって勘合がずれてしまい、最悪場合ネックが取り付けられなくなってしまいます。

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良い演奏するためには良い状態の楽器が必要です

修理・調整箇所 基本料金(税込)
全タンポ交換(※1) ¥76,000~+別途パーツ代
全体バランス・タンポ調整(※1・2) ¥8,300~
ネックコルク交換 ¥2,800~+別途パーツ代
ジョイント調整 ¥1,400~
管体へこみ直し 要見積
  • ※1 機能面の再生(キィの動作修正・ガタツキ取り除き)が必要な場合は、料金が変わります。
  • ※2 タンポに破れ・痛み・変色などがあり老朽化している場合には、タンポ交換(1ヶ所/¥1,700~+別途パーツ代)が必要となります。

修理料金はあくまで目安の基本料金となります。
詳細金額につきましては、一度店頭にて楽器をお預かりしまして、お見積もりを致します。

上記以外の事でもお気軽にご相談下さい。
日頃のメンテナンスアドバイスも行っております!

是非一度、仙台長町モール店へ楽器の健康診断へお越しくださいませ!

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仙台長町店
常駐管楽器リペアマン 南波(なんば)

お問い合わせ

店名 島村楽器 仙台長町店
TEL 022-304-2261

※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。