一部Cubaseユーザーから新バージョンの年末・年始発表が噂されていた現行Cubase7.5の最新バージョン「Cubase Pro 8」と「Cubase Artist 8」が2014年12月3日(水)に発表されました。Cubaseユーザーの方々の中には、Steinberg Online Shopやスタインバーグバージョンアップセンターから最新の「Cubase Pro 8」を入手して、すでに使われてる方もいらっしゃると思います。
新たに「Cubase Pro 8」「Cubase Artist 8」のご購入のお客様は、パッケージ版のイオンモール宮崎店への入荷が12月下旬を予定しておりますので、もうしばらくお待ち下さい。
また、前バージョンである「Cubase7.5」をグレースピリオド期間(10月15日以降)にアクティベートした方は、無償バージョンアップ対象となっておりますので、こちらのアップデートガイドをご一読の上、バージョンアップをお願いいたします。
品名 | 型式 | 販売価格(税込) |
---|---|---|
Cubase Pro 8 | CUBASE PRO 8/R | ¥59,400 |
Cubase Artist 8 | CUBASE ART 8/R | ¥32,400 |
なぜ「Cubase Pro 8」なのか?
まずは、公式チャンネルから「Cubase 8」の製品発表会の様子をご覧ください。
古くからのCubaseユーザーの方であれば、Cubaseの最上位グレード名が、「(Cubase)VST」、「(Cubase)SX」と変移し、Cubase 4、5、6、7では無印になったことをご存じだと思います。
しかし最新バージョンの8では、最上位グレードが「(Cubase)Pro」と名前が変わりました。
最新バージョンの8では、6から7のバージョンアップで行われた一目でわかる大きな変更点はなく、ちらと見ただけではメジャーバージョンアップとは気づきにくいのですが、使ってみるとすぐに「あっ、この部分もあの部分も断然使いやすくなっている!!」と、従来のCubaseユーザーであれば、誰もが不便を感じていた部分が解消され、洗練されていることに気づくと思います。
また、音楽制作ツールとしてCubaseは非常に使いやすいけど、ミックスなどのエンジニアリング作業は、別のマスタリングソフトで行っているといったDTMユーザーも多かったと思いますが、最新バージョンの「Cubase Pro 8」では、ミックス関連の機能が非常に強化され、VCAフェーダーやバージンテリトリー機能、ダイレクトルーティング機能の実装により、音楽制作からエンジニアリング作業まで、「Cubase Pro 8」内で全て完結する完成度を持っています。
さらに、オーディオエンジンも刷新され、巨大プロジェクトでのCPU負荷が軽減し、多くのプラグインでレイテンシーが改善され、軽快なレスポンスで操作を行うことができます。
Steinberg社からのコメントによると、今回の「Cubase Pro 8」の開発コンセプトは、「ユーザーが求める洗練されたワークフローを実現すること」とのことですが、「CPU負荷が軽く、気の利いた操作性のよさ」、「音楽制作&ミックスまでの作業をCubase内で完結できる」など、「Pro」を名乗るに相応しい仕上がりになっております。
グレード別機能詳細
「Cubase Pro 8」と「Cubase Artist 8」の機能詳細を下表に示します。 録音に関するオーディオトラック数の制限の違いなどがわかりやすいと思いますが、トラック数の規模に関わらず「こういった機能があれば便利なのに・・・」と感じてしまう機能が「Cubase Artist 8」にはなく、「Cubase Pro 8」の方にあることが多くあります。
すぐに気づくのが前バージョンから好評なVocalトラックのピッチ修正が便利な「VariAudio 2.0」です。単体の使い勝手のよさはもちろんですが、コードトラックと組み合わせることにより、ハーモニボイスを簡単に生成できるといった非常に強力で便利な機能があります。
また今回のメジャーバージョンアップでは、ミックス回りが非常に強化されているのですが、「Cubase Artist 8」ではそのメリットを享受しにくい部分が多くあることに気づくと思います。
予算が許すなら編集&ミックスが強力な「Cubase Pro 8」がオススメです。 特に歌ものを多く録音される方には、Artist版ではなく、「VariAudio 2.0」が使用できる「Cubase Pro 8」を強くオススメします。
===Recording===録音 | ||
---|---|---|
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
オーディオトラック数 |
無制限
|
64
|
MIDIトラック数 |
無制限
|
128
|
インストゥルメントトラック数 |
無制限
|
32
|
最大入出力数 |
256
|
32
|
最大サンプリングレート |
192kHz
|
|
最大ビット解像度 |
32-bit
|
|
新しいオーディオエンジン ASIO-Guard 2 |
○
|
|
===CM===作曲 | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
キーエディター |
○
|
|
ドラムエディター |
○
|
|
リストエディター |
○
|
|
スコアエディター |
○
|
|
コードトラック |
○
|
|
コードアシスタント |
フル機能
|
限定機能
|
NEW コードパッド |
○
|
|
NEW 五度圏表示 |
○
|
|
NEW 近接コード表示 |
○
|
-
|
VST エクスプレッション |
ノートエクスプレッション
/アーティキュレーション /ダイナミクス |
ノートエクスプレッション
|
トラックバージョン |
○
|
|
===EDIT===編集 | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
トランジェント検出 |
○
|
|
テンポ検出 |
○(MIDI/オーディオ)
|
-
|
ドラム差し替え |
○
|
-
|
拡張オーディオ(複数ドラム
トラック)クオンタイズ |
○
|
-
|
ヒットポイント検出 |
○
|
|
ワープクオンタイズ |
○
|
-
|
オーディオワープ(タイム
ストレッチ&ピッチシフト) |
○
|
|
タイムワープ |
○
|
-
|
マルチトラック編集 |
○
|
-
|
VariAudio 2.0 |
○
|
-
|
ハーモニーボイスの生成 |
○
|
-
|
マルチテイクコンピング |
○
|
|
===MIX===ミックス | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
ミキサー |
MixConsole
|
|
チャンネルストリップ |
○
|
|
新しいチャンネルストリップEQ |
○
|
|
ドラッグ&ドロップ対応 |
○
|
|
A/B比較、一括バイパス |
○
|
|
プラグイン検索 |
○
|
|
自由拡大縮小 |
○
|
|
フルスクリーンモード |
○
|
-
|
チャンネル表示/非表示 |
○
|
|
クイックリンクシステム |
○
|
|
コントロールリンクグループ |
○
|
-
|
カスタム表示設定 |
○
|
|
EBU準拠ラウドネスメーター |
○
|
-
|
NEW 波形メーター |
○
|
-
|
NEW VCAフェーダー |
○
|
-
|
NEW ダイレクトルーティング |
○
|
-
|
グループチャンネル |
256
|
32
|
Control Room |
○
|
-
|
5.1 サラウンド対応 |
○
|
-
|
MixConvert |
○
|
-
|
オートメーションモード |
タッチ/クロスオーバー
/オートラッチ/トリム |
タッチ
|
オートメーションパネル |
○
|
-
|
NEW バージンテリトリー |
○
|
-
|
===WorkFlow===ワークフロー | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
Mediabay |
フル機能
|
|
プロジェクトアシスタント |
○
|
|
FLAC 対応 |
○
|
|
SoundCloud アップロード |
○
|
|
OMF 読み込み/書き出し |
○
|
-
|
MP3 エンコード |
○
|
オプション
|
オフライン処理履歴 |
○
|
|
キーコマンドマクロ |
○
|
|
マルチチャンネルの書き出し |
○
|
-
|
インストゥルメントラックと MediaBayのドッキング表示 |
○
|
|
トラック表示/非表示設定 |
○
|
|
ウィンドウの操作の簡略化 |
○
※Windows版のみ |
|
NEW インプレイスレンダリング |
○
|
|
NEW VST Connect SE 3 |
○
|
-
|
プラグイン | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
オーディオエフェクト数 |
73
|
53
|
インストゥルメント数 |
8(約3,000プリセット)
|
8(約2,600プリセット)
|
MIDIプラグイン数 |
18
|
|
===VSTi===主なバーチャルインストゥルメント | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
HALion Sonic SE 2 |
Trip/Hybrid/Pro
/Artist/Basic |
Trip/Hybrid/Artist/Basic
|
Groove Agent SE 4 |
○
|
|
LoopMash 2 |
○
|
|
Padshop |
○
|
|
Retrologue |
○
|
|
Prologue |
○
|
|
===VST===主なオーディオエフェクト | ||
Cubase Pro 8 | Cubase Artist 8 | |
CurveEQ (Voxengo 製) |
○
|
-
|
VST Amp Rack |
○
|
|
VST Bass Amp |
○
|
|
Quadrafuzz v2 |
○
|
|
REVerence |
○
|
-
|
MorphFilter |
○
|
|
VintageCompressor |
○
|
|
Tube Compressor |
○
|
|
Tube / Tape Saturation |
○ (チャンネルストリップのみ)
|
|
Brickwall Limiter |
○
|
|
REVelation |
○
|
|
LoopMash FX |
○
|
|
Magneto II |
○
|
|
Multiband Compressor |
○
|
-
|
NEW Multiband Expander |
○
|
-
|
NEW Multiband Envelope Shaper |
○
|
-
|
主な新機能
生まれ変わったオーディオエンジン
「Cubase 8」が今までのCubaseと大きく異なる点が、新たにオーディオエンジンを作り変えたことです。大規模プロジェクトは従来の1/4の時間で開くことができ、MixConsoleは2倍ほど速く動作します。 多数のインストゥルメント・プラグインを使用する現代の音楽制作において、PCのスペック頼みの重いコードではなく、低レイテンシー&マシンパワーの節約をもたらす「Cubase 8」の新しいオーディオエンジンは、メジャーバーションアップに相応しい機能強化となっています。
ASIO-Guard 2
ASIO-Guard 2 は、用途に応じてトラックのレイテンシーをフレキシブルに調整します。レイテンシーを下げたいトラックに対してだけ低レイテンシーを、それ以外のトラックでは高レイテンシーを用いて CPU 負荷を減らし、再生時のパフォーマンスを上げます。
バージョン2では、マルチティンバーおよびディスクストリーミングを使用する VST インストゥルメントトラック、そしてすべての独立したライブ入力チャンネルにも対応しました。
ASIO-Guard バッファーの拡張により、オーディオ処理の性能が向上。CPU 負荷の高いプロジェクトにおいても、リアルタイムで録音およびモニターを行うことができます。
コードアシスタントの新しい表示モード (五度圏 / 近接コード)
コード進行をさらに視覚的、かつ理論的に選択できるように、五度圏表示と近接コード表示を追加しました。
近接コード表示では、ハーモニー理論に基づき、起点となるコードと関連するコードを同心円状に表示します。 ウィンドウの下中央のリファレンスコードから周辺のコードへの距離や色で、コードの遠近や進行の複雑さを比較できます。五度圏表示では、伝統的な五度圏に基づいたコードの関係を一望できます。
これらの新しいコード機能は新機能のコードパッドからも直接使用することができ、とても便利です。
コードパッド
コードパッドは、1〜2オクターブ分のパッドに任意のコードを割り当て、それをマウスやMIDIキーボードでプレイすることで、感覚的にコード進行を作成できる機能です。各パッドに登録するコードは、コードエディターで自由に設定することができ、ピアノ用ボイシングやギター用ボイシングを切り替えることもできます。 コードパッドを使用すれば例えば左手で難しいコードを瞬時に弾く技術が無くても、指一つだけでリアルタイムでの伴奏とメロディーを演奏する事ができます。 そしてそのままMIDIレコーディングすれば和音での打ち込みがされるので、難しいコード進行も簡単に構築していくことができます
五度圏表示
コードアシスタントで、「五度圏 (Circle of Fifths)」モードを使用すると、現在制作中の曲のキーを定義する起点コードが、コードアシスタントの中心に表示され、外側の円には、5度間隔で12のメジャーコードが表示され、内周には外周コードの平行調となるマイナーコードが表示されます。 現在のキーのダイアトニックコードは、コード名の横にローマ数字表記で表示されます。 コードをクリックすることで、そのコードの演奏を聞くことができますので、キーボードでの演奏が苦手な方もコードを聞き比べて、創造的なコード進行を作り上げていくことができます。
近接コード表示
前バージョンの「Cubase 7.5」から2つのコード間を補完するコードを提案するコードアシスト機能はあったのですが、「Cubase 8」からは、この機能が強化され、現在のコードに対し、次のコードに何を選べばよいのか提案できるようになりました。 加えて、7.5ではリスト表示だったのに対し、「Cubase Pro 8」から視覚的に表示される近接コードパレットが搭載されました。 これは、現在のコードとの関係性や代理コードなどを視覚的に確認できるビューなので、非常に分かりやすくなっています。 また、コード進行の提案もリストを使って、よく使われるコード進行から、ちょっとイレギュラーなコード進行まで提案してくれるので、自分のコード進行がマンネリ化してるなと感じた時に、ちょっとしたヒント代わりに使える機能となっています。
※近接コード表示は「Cubase Pro 8」のみの機能です。
MIDI テンポ検出
旧バージョンまでのCubaseでは、オーディオデータからテンポを検出する機能はあったものの、MIDIデータからテンポを検出する機能がなかったため、MIDIイベントのタイムティックから電卓でテンポを計算するといった大変に手間な作業が必要だったのですが、「Cubase Pro 8」からMIDIデータからテンポを検出し、テンポトラックに反映することができるようになりました。
MIDIキーボードでルバート演奏を手弾きでレコーディングし、そのMIDIデータを反映し、全トラックのテンポを制御できるので、個人的にも非常に嬉しいバージョンアップ内容の一つです。
※(MIDI/オーディオ)テンポ検出は「Cubase Pro 8」のみの機能です。
チャンネルストリップ EQ の改良
チャンネルストリップの EQ モジュールに、マウスオーバーでゲイン / 周波数 / 該当音名を表示する機能を搭載しました。各帯域を、周波数 (Hz) の代わりに音名 (C, D#, Ab など) やセント値で入力することもできます。"PRE" セクションでは、ハイ / ローカットフィルターのスロープを 6、12 (初期値)、24、36、48 dB/Oct から選択できます。
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プラグインマネージャー
制作する曲のシーン、ミックス用途によって、VST エフェクト / インストゥルメントプラグインをグルーピングして整理できる機能です。
インストールした全てのプラグインの中から、サブセットとして複数のコレクションを作成し、簡単に切り替えることができるので、"作曲用のプラグイン"、"ミックス用のプラグイン"など分かりやすく整理し、表示することが可能になりました。
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波形メーター
「Cubase Pro 8」 に搭載する波形メーターでは、ミキサーのチャンネル上部にトラックにレコーディングされた波形をリアルタイム表示します。MixConsole とプロジェクトウィンドウを切り替えずとも、曲の現在位置やオーディオイベントの確認が容易になります。ノイズ発生源の特定にも便利です。
※波形メーターは「Cubase Pro 8」のみの機能です。
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VCA フェーダー
レコーディングエンジニアからの強い要望によって、今回の「Cubase Pro 8」に盛り込まれたのが、VCAフェーダーです。
アナログミキサーにおいて、VCA フェーダーは、DC電圧を使ってチャンネルのゲインをコントロールすることで、複数のフェーダーグループを一つのマスターフェーダーで動かすことができました。例えば、VCAフェーダー1にアサインされているトラック1が-5db、トラック2が-8dbの位置にセットされてるとき、VCAフェーダーを-10dbに動かせば、トラック1、2のフェーダー位置は変わらないものの、その出力をそれぞれ-15db、-18dbにすることができます。
「Cubase Pro 8」のVCAフェーダーを利用すれば、ミックスの最終段階でも複数トラックをストレスなく一括操作することが可能になります。 もちろん、VCAフェーダーに対してもオートメーションを書くことができるので、各トラックのオートメーションと併用すれば、より複雑なミキシングを行うことが可能です。
※VCAフェーダーは「Cubase Pro 8」のみの機能です。
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ダイレクトルーティング
従来のCubaseでもルーティングの自由度は高かったのですが、「Cubase Pro 8」では、トラックのルーティング先のバスの設定を複数保存でき、それらをワンタッチで切り替えることができるようになりました。 オートメーションももちろん書けますので、複数トラックのルーティングを瞬時に別のバスに切り替えて、また元のバスにもどすといったトリッキーな演出も簡単に行えるようになりました。
※ダイレクトルーティングは「Cubase Pro 8」のみの機能です。
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バージンテリトリー
オートメーションレーンのバージンテリトリーは、オートメーションデータの扱いを簡単にしてくれます。有効にすると、トラック上でのオートメーションデータのない部分を使ってパラメーターの調整を自由に行うことができます。
従来のCubaseでは、オートメーションを書き込むとその前後のオートーメーションのデータと干渉して、意図しないクレッシェンドがかかったりしましたが、バージンテリトリーを有効にすれば、オートメーションの補完がかからなくなりますので、オートメーションのカットアンドペーストを頻繁に行う作業の手間が軽減されます。
※バージンテリトリーは「Cubase Pro 8」のみの機能です。
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インストゥルメントラックと MediaBay のドッキング表示
プロジェクトウィンドウの右側に、新しく「ラックゾーン」として MediaBay と VST インストゥルメントラックをドッキング表示できるようになりました。
これにより、ノート・パソコンのような1画面のコンピューターでも快適に作業できるようになりました。
前バージョンまでのCubaseでは、画面が取っ散らかりやすい傾向があったので、これは個人的に嬉しいポイントです。
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トラックリストとインスペクターの刷新
視認性向上のため、トラックリストとインスペクターのデザインを一新。トラック名はよりわかりやすく、トラックコントロールも絞り込むことですっきりしました。
また、インスペクター下部のボタンから設定画面を呼び出し、コントロール類の構成をカスタマイズできます。前バージョンのCubaseでは、そのトラックでは使用しないコントロールのボタンなどが所狭しと並んで、視認性に欠ける部分もあったのですが、「Cubase 8」では、こういった見た目のカスタマイズも簡単に行えます。
これにより、ワークフローに応じたコントロールだけを表示し、作業に集中することができます。
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ウィンドウの操作をより簡単に(Windows版のみ)
「Cubase 8」では、新しいワークスペースオーガナイザーによって、ウィンドウをより効率的に扱えるようになりました。
ウィンドウを画面のあらゆる場所に配置できるようになり、Windows OS の標準コマンドを用いて、最大化、最小化、元に戻す、並べて表示、切り替えなどの操作が可能です。また、タスクバー上では Cubase のウィンドウをグループとしてまとめ、内容のプレビューをミニアイコンとして表示します。「常に前面に表示」モードでは、MixConsole などを最大化した場合でも、小さなプラグインウィンドウを同時に表示することができます。
さらにウィンドウの配置はワークスペースメニューを使って瞬時に切り替えることができるため、マルチディスプレイ環境下での作業が非常に快適になりました。
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インプレイスレンダリング
ユーザーからの強い要望により実装されたのが、「インプレイスレンダリング」機能で、これによりMIDI、オーディオパートを簡単にバウンスすることができるようになりました。「インプレイスレンダリング」を実行するとコマンドを実行すると新しいオーディオトラックが生成され、その上にレンダリングされたオーディオイベントが配置されます。
レンダリングの際には、新しいイベントにチャンネル / マスターエフェクトを含める、リバーブ用にテールを含める、ドライのイベントを生成し、トラックにはエフェクト設定を複製する、などの細かい設定が可能です。
またレンダリングしたオーディオデータファイルは、特定のフォルダーに保存することができるため、他のDAWとのオーディオデータのやりとりが、今まで以上に簡単にできるようになりました。
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VST Connect SE 3
インターネットを介して、オーディオと MIDI の遠隔レコーディングを可能にする VST Connect SE がさらに進化しました。
ホスト側のパソコンでは、「Cubase Pro 8」を起動して、VST Connect SE 3 の機能を使って遠隔レコーディングの準備を行なえば、プレイヤー側のパソコンから「Cubase Pro 8」に接続して録音することが可能です。
プレイヤー側のパソコンに必要なものは、ネットに接続できる環境とオーディオインタフェースと無償の「VST Connect Performer」のみ。プレイヤー側では、「Cubase Pro 8」のライセンスは不要です。
加えて、Webカメラが準備できるのであれば、Cubase環境内でWebカメラを使ってコミュニケーションをとることができます。
さらに、プレイヤー側では「VST Connect Performer」の操作方法がよくわからなくても、ホスト側からリモートで設定を行うことができますので、プレイヤーは演奏に専念することができます。
従来のwavファイルをやりとりしての冗長なレコーディングとは画期的に異なる、イマジネーションを損なわないリアルタイムレコーディングが可能になりました。
VST Connect SE 3 では、グラフィックユーザーインターフェースを一新し、Cubase に完全統合。セットアップや接続の手間を大幅に省きました。
※VST Connect SE 3は「Cubase Pro 8」のみの機能です。
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VSTインストゥルメント
Groove Agent SE 4 Acoustic Agent
Cubase7.5で、それまでのGroove Agent ONEから、より使い易く強力に生まれ変わった「Groove Agent SE 4」が、後日発売された「Groove Agent 4 Acoustic Agent」から厳選して移植が行われ、更にパワーアップしました。 この超リアルなバーチャルドラマーは、20種のドラムスタイル、グループチャンネル、ルーム、オーバーヘッドに対応したミキサーを含んでいます。 Cubase との密接な統合により、Groove Agent SE 4 上のすべてのドラムキットは自動的に Drum Editor にマッピングされます。
Allen Morgan Pop-Rock Toolbox
Cubaseの各種プリセットデータでお馴染みのトッププロデューサー Allen Morgan氏 が手がけたポップ&ロックスタイルのコンストラクションキット。新しいインストゥルメントを最大限に利用したり、弾き慣れないパートのイメージを具体化したり、作曲家にとってとても役立つコレクションです。30種類のコンストラクションキットはそれぞれ25〜30のオーディオ / MIDI ループと対応するインストゥルメント、さらにチャンネルストリップとミキサーの設定まで含んでいます。新しいインスピレーションを得るためにも、最適です!
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充実のエフェクト
ベース専用のアンプシミュレータ「VST Bass Amp」や好評だったQuadrafuzzの復刻版「Quadrafuzz v2」、「Multiband Compressor」、「Multiband EnvepopeShaper」、「MultibandExpander」などが新たに搭載されました。
今回のエフェクターで特に目を引くのが、マルチバンドというキーワード。
周波数帯域毎に異なるエフェクトを与えることができるので、設定の難易度は高いものの、より自由な音作りが可能になっています。
VST Bass Amp
ベース用のアンプシミュレータというと、ギター用アンシミュのオマケのようなプラグインが多い中、「Cubase 8」では本格的なベース専用アンプシミュレータ「VST Bass Amp」が付属します。
旧Cubaseのギター用アンシミュ「VST Amp Rack」が、付属VSTと思えないほど使い易く音質的にも優れていたので、「これのベース用アンシミュがあれば…」といった声に応えた形での「Cubase 8」からの搭載となりました。
使えるアンプタイプは6種、キャビネットは4種、マイクは8種のうち2つを組み合わせてミックスして音作りを行うことができます。アンプを挟む形で、Pre-Effects/Post-Effectsをそれぞれ最大6ヶ配置でき、エフェクターは21種を使用することができます。
音は聴いた瞬間思わず頬がゆるむほど太い音がします。基本的な音作りは「VST Bass Amp」にお任せ下さい!!
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Quadrafuzz v2
伝説のプラグインQuadrafuzzが、「Quadrafuzz v2」となって復活しました。Quadrafuzzは、ハリウッドの映画音楽の作曲家、ポール・ハスリンガー氏(Paul Haslinger)が愛用していることでも有名なディストーションプラグインです。
最大4つの周波数帯域を個別に歪ませ、ディレイなどをかけることができます。 荒々しい歪みとディレイがふんだんに混ざった暗く太いファズから、明るくアコースティックな味もあるクランチに至るまで、幅広いサウンドバリエーションを備えた「Quadrafuzz v2」は、どんな楽器やサウンドにも対応できるディストーションです。
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Multiband Compressor
「Cubase Pro 8」からMultiband Compressorは、サイドチェーンに対応し、4つの周波数帯域ごとにトリガー帯域を個別に調整およびモニターできるようになりました。サイドチェーンとは、エフェクタに通す主オーディオデータとは別に、エフェクタの動作を制御するためのトリガーを受けることをいいます。コンプレッサーの場合ですと、ベースをコンプレッサーに通し、そのサイドチェーンとしてドラムのキック音を与えることで、キックしたタイミングに合わせてベースにコンプレッサーが働くように制御することが可能になります。EDMとか4つ打ちの楽曲を制作する際に、ベースにキックや、シンセパッドにハイハットをサイドチェーンで合わせることにより、一気にそれらしい雰囲気の楽曲に仕上がります。
※Multiband Compressorは「Cubase Pro 8」のみ搭載されたプラグインです。
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Multiband Expander
トラックのダイナミクスを変更できるマルチバンドエキスパンダーです。コンプレッサーと真逆の動作を行い、スレッショルド以下の信号を圧縮し、聴感上ダイナミックレンジの広いサウンドを生み出します。 4つの周波数帯域を個別に設定して、ダイナミックレンジを拡大したり、不要なノイズを減らすことができます。こちらも「Multiband Envelope Shaper」と同様、レイテンシーフリーのライブモードを搭載しています。
※Multiband Expanderは「Cubase Pro 8」のみ搭載されたプラグインです。
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Multiband Envelope Shaper
ドラムミックスのサウンドを際立たせたり、マスタリングや斬新な音加工のために活用できるのがマルチバンドエンベロープシェイパーです。
アタックを強調し、不要な余韻をカットして、パーカッシブなサウンドを作るときに有用です。
入力信号を最大4つの周波数帯域に分割し、それぞれのアタック特性とリリース特性を自由に変更して、音のトランジェントを再構成することができます。 通常はデータの先読みを行い、より正確な動作を行いますが、そのため若干のレイテンシーを必要とします。 そこでレイテンシーフリーのライブモードも搭載し、使い勝手のよいプラグインとなっています。
※Multiband Envelope Shaperは「Cubase Pro 8」のみ搭載されたプラグインです。
※TOPへ/機能一覧(エフェクト)へ/お問い合わせ先へ)
お問い合わせ
今回は、2014年12月3日(水)に発表された「Cubase Pro 8」、「Cubase Artist 8」をご紹介しました。私は旧版の「Cubase7.5」を使用しているので、すぐさま、Steinberg Online Shopからアップデート版を購入し、インストールしてみました。
Cubaseユーザーの方はご存じでしょうが、Cubaseは異なるバージョンの製品を同じPCにインストールして運用できますので、私も「Cubase 7.5」と「Cubase Pro 8」を併用して使い比べてみたところ、本文でもご説明いたしましたが、(1)CPU負荷が軽く動作が軽快であること、(2)エフェクトインサートのON/OFFを手軽に設定できてオーディオファイル化できるインプレイスレンダリングが快適であること、(3)VST Bass Amp、Groove Agent SE 4 Acoustic Agentの音色がすばらしく使い易いことから、「Cubase7.5」から「Cubase Pro 8」をメインとした制作環境に移行しました。
またmacでのCubaseユーザーの方には、分かりづらいかもしれませんが、「Cubase 8」からようやくWindows版でもワークスペースオーガナイザーにより、自由にウィンドウを配置することが可能になりました。
今までのCubase/Windows版では、主ウィンドウ内に子ウィンドウを配置するMDIウィンドウ方式だったため、極端な言い方をすれば、デュアルディスプレイ環境であっても、もう一枚のディスプレイは、分厚いPDFのマニュアルを参照することくらいしか使い道がありませんでした。
しかし、「Cubase 8」になって、ようやく自由にウィンドウを配置できるようになり、またそれを簡単に記憶させることができるので、作業に応じて好みのウインドウ配置に一瞬で切り替えられるようになり、快適すぎるくらい快適になりました。
個人的には、これだけでも旧版の Cubase に戻れない「Cubase 8」/Windows版ユーザーがいるはずと想像しております。
また、「VOCALOID™ Editor for Cubase (NEOも含む)」、 および12月下旬発売予定の「VOCALOID™4 Editor for Cubase」ともに、「Cubase 8」への対応は12月下旬になるとアナウンスがありましたので、VOCALOID™ユーザーの方も安心して「Cubase 8」に乗り換えられます。
「Cubase 8」のパッケージ版は、近々入荷の予定です。 今すぐ「Cubase 8」が欲しいCubase新規ご購入の方は、旧バージョンの「Cubase7.5」のパッケージ版をご購入いただき、アクティベートすることで、最新の「Cubase 8」へ公式サイトから無償でアップグレードすることができます。 「Cubase7.5」パッケージ版の価格は、「Cubase 8」と同じ価格となります。 お急ぎの方はぜひご相談下さいませ!!
イオンモール宮崎店では、店頭にて「Cubase 8」をお試しできまず。 前バージョンの「Cubase7.5」もお試しできるので、ぜひ旧版と比較して新しくなった「Cubase 8」を体感ください!!
また、Cubaseの他にもDTMやVOCALOID™に関する様々な機材やソフトウェア、教本などを取り揃えております。「DTMやVOCALOID™を始めてみたいけど、PCの設定など色々と難しそう」といった不安なども専門スタッフが解決いたします。 お気軽にご相談ください。
みなさまのご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。
店舗名 | 島村楽器 イオンモール宮崎店 |
---|---|
電話番号 | 0985-61-7760 |
担当 | 藏 谷(くらたに) |
お支払い方法
店頭でのお支払いは以下の方法をご利用頂けます。
- 現金
- クレジットカード
- ショッピングクレジット
- デビットカード
※ 各お支払方法の併用も可能です。詳しくはお問い合わせ下さい。
※記事中に販売価格、在庫状況が掲載されている場合、その情報は記事更新時点のものとなります。店頭での価格表記・税表記・在庫状況と異なる場合がございますので、ご注意下さい。