【シンセサイザー】Minimoog Model D解説!

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2017年05月16日

Minimoog Model D5/14発売開始!(ご予約受付中)

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こんにちは!島村楽器仙台イービーンズ店デジタル担当の志村です!本日はシンセサイザー好きの方なら誰しもが何かしらの衝撃を受けたに違いないMinimoog Model Dについて皆様と一緒にその歴史から紐解いて参ります!

Minimoog Model D解説!

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メーカー 型名 定価(税込) 売価(税込)
moog Minimoog Model D ¥496,800 ¥422,280

Moogの産みの親「ロバート・モーグ」について

学生時代からシンセサイザーの原型完成まで

Moogの産みの親であるロバート・モーグはアメリカの電子工学者、1934年5月23日にニューヨークに生を受けた彼は幼少期からピアノを学び、ブロンクスで過ごした高校生時代にはロシアの電子楽器テルミンの自作キット等を考案して販売していたと言うのですから驚きです。大学ではニューヨーク市立大学で物理学を、コロンビア大学で電気工学を、コーネル大学で機械物理学を学び、その発想力だけではなく、知識も蓄えていきます。
そんな折、1960年代にコロンビア大学で盛んに行われていた電子音楽コンサートを体験する事となり、そのご縁からジョン・ケージ(4分33秒などで知られる方です)のライヴ用の装置開発などを依頼される様になります。彼の当時の最大の功績は、それまでは巨大なパッチシステムなどを用いないと演奏実現出来なかった電子音楽の実験を、家庭でも出来る様に小型モジュールに落とし込む事に成功した事です。それまでは真空管が主流ではありましたが、アポロ計画やベトナム戦争での特需があり、余剰品を安価で入手する事が出来た事からトランジスタを使って小型化に成功した、という時代背景が手伝った側面もあります。これが現在のシンセサイザーの原型となりあらゆる音を合成(シンセサイズ)して再現する魔法の楽器が生まれたのです。

モーグ・シンセサイザーの普及

Moogのシンセサイザーが世間一般に広く知れ渡ったのが1964年にニューヨークで開催されたAES(Audio Engineering Society Inc.)への出展、彼のこの画期的な楽器が広く知れ渡る様になるといよいよ注文が殺到、初期の顧客にはウォルター・カルロス(代表作は「時計じかけのオレンジ」「シャイニング」「トロン」など、1980年代に性転換しウェンディ・カルロスと改名)「スウィッチト・オン・バッハ」を制作、キース・エマーソン、富田勲Moog IIIを制作など世界的なシンセサイザー奏者に愛用され、その噂を聞きつけた「ジョージ・ハリスン」「ミック・ジャガー」などからも購入され、モンキーズやビートルズのサイケデリック期を支える唯一無二のサウンドとなりました。

1971年にいよいよMinimoogが正式発表

そしていよいよ1971年のNAMM Showにて鍵盤と音源部を更に小型化したMinimoogを発表!正式に楽器業界に「シンセサイザー」という楽器がアナウンスされた第一弾となりました。当時のスタジオの必需品として爆発的に導入され、あのスティーヴィー・ワンダーも初期オーナーの一人だったという事なので驚きです!

Minimoogについて

モジュラー・システムが各モジュールをパッチ・ケーブルで接続する事で自由度の高い音声合成を行うのに対して、ミニモーグは既に内部構成が決まっており、スイッチとノブを調整制御する事で音色を構築する事が可能となった操作の容易性と明確さがメリットとなったシンセサイザーでした。更に鍵盤・ピッチベンド・モジュレーションホイールなどのコントローラーが標準搭載されている事から演奏時に音色や機能をコントロールしやすく、プレイヤーの音楽的表現の拡大に大きく貢献しました。
同時発音数1のモノフォニックシンセサイザーである為、当時は3つのVCOの音程を微妙にずらす等のアプローチで多くのプレイヤーが「ポリフォニックらしさ」を表現しようとしました。中でもベース・サウンドは「モーグ・4ポール・ラダーフィルター」が作り出す特徴的なサウンドキャラクターは現在も尚多くのファンを虜にしています。

Minimoog Model Dの「D」という番号は、A,B,Cと3種存在した試作機(プロトタイプ)が一般には出回らず、D型からが製品化され一般ユーザーに使われる様になった事に由来するのですが、前期型と後期型に分かれており、そのどちらもが独特の使い心地があり重宝されていました。

新発売「Minimoog Model D」の改良点とは

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先程、ご紹介した様に、Minimoog Model Dには前期型と後期型があり、前期型の方が音が太く、後期型の方が電源的には安定していると言われています、今回復刻となるモデルは背面に調整用トリムが11個搭載されている事から、恐らく前期型である事が予想され、当時の音の太さを誇るマシンが手に入ると思うと今から楽しみです。

拡張されたCV(Control Voltage)端子

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アフター・プレッシャー(アフタータッチ)端子:6.35mm標準フォーン・ジャック
出力電圧:0〜+5V、トリム付き
ピッチ端子:6.35mm標準フォーン・ジャック
出力電圧:-3V〜+7V、C=0V
ゲート端子:6.35mm標準フォーン・ジャック
出力電圧:0〜+5V
ベロシティ端子:6.35mm標準フォーン・ジャック
出力電圧:0〜+5Vまたは0〜+10V(選択式)、トリム付き

拡張されたモジュレーション機能

三角波/矩形波LFO、フィルター・エンベロープ(モジュレーション・ソースとして使用可能)、外部モジュレーションCVインプット

オーバーロード改良

ミキサー部の外部オーディオ入力チャンネルのフィードバックを内部接続化(レベルは自動スケーリング)し、オーバードライブがより簡単になった事で、オリジナルのMinimoog Model Dよりも太いサウンドが再現可能に!

鍵盤が高品位に!

鍵盤に超有名なFatar社製鍵盤を採用!ベロシティ、アフター・プレッシャー(アフタータッチ)対応(トップ・パネルのCV端子でのパッチングでベロシティ/アフター・プレッシャーに対応)します!

MIDI端子を採用!

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IN、OUT、THRUのMIDI端子を装備する事で外部音源等として使用する他、シーケンスを走らせた使用など、様々な用途に対応可能となりました!

お問い合わせ

いかがでしたでしょうか!シンセサイザーという楽器の形を世に提示したその人こそMoogの創始者「ロバート・モーグ」その人だったのですね!後発のメーカーARPと熾烈な戦いを繰り広げた後で、ポリフォニック全盛期となった頃にオーバーハイムの人気がうなぎ上りとなり、ロバート・モーグは経営権を明け渡した訳ですが、今も尚、その唯一無二のサウンドはシンセサイザーマニアの間でも根強い人気を誇り、彼がこの世を去った今でも、「Moogfest」というイベントが開催される程なのです…!そんな歴史的なMoog製品の中でも世界で初めて楽器店で手に入れる事が出来る様になったMinimoogの復刻版!1台ずつハンドメイドで生産される為、月産生産数も多くありません!是非、皆様からのご予約をお待ちしております!

店舗 仙台イービーンズ店
電話番号 022-264-9333
担当 志村

スタッフ紹介(志村)

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高校時代より作曲に興味を持ち、バンド活動と並行してDTMを楽しむ。大学時代にボーカロイドと出会いボカロPの道を歩み、多くのコンピレーションに参加、また自主制作CDなどを発表する。自称島村楽器仙台店の二次元担当。サブカルチャー文化に無駄に詳しい。

使用機材
DAW Cubase/Ableton Live
Audio I/F Apollo Twin USB
楽器 SH-TC/R(HISTORY)/Les Paul Special TV Yellow(Gibson)/ZJB1R/5(CoolZ)/KRONOS61(KORG)/Axe-Fx II XL+
スピーカー MO-1(musikelectronic geithain)
ソフト音源 Trilian/AddictiveDrums/Ivory Grand Piano/etc...
プラグインエフェクト UAD/Waves/Amplitube3

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