最終審査会ノミネート

Garin / Crusher(八王子店エントリー)

審審査員アドバイスコメント

とにかくサックスのリズム、音色、表現力が素晴らしく、フレーズのセンスも抜群です。それだけでも聴き応えがあります。楽曲についてはFm7(11)系のインストものという感じで、それ自体は個性溢れるものではなくむしろインスト曲としては王道的なところですが、このレベルのコード・アレンジなどに到達するには相当音楽的なセンスと素養が無ければ土台無理なわけで、古賀さんがこれまでに培ってきた音楽力は遺憾なく発揮されていると思いました。ベースラインやドラムの打ち込みにもそれらは表れています。

 さて世にリリースされる作品として本作を仮に想定して聴くと、いくつか物足りない点が出てきます。よく打ち込まれてはいるものの、ドラム、ベース、そしてギターはあくまでも生のニュアンスのシミュレート方向ですので、本物を頭の中に想定して聴いてしまい、物足りなく感じてしまいます。またBメロ部分で印象的なメロディが特になく、コード進行のインパクトのある展開を聴かせる構造になっていますが、ここにゆったりしたメロディとかが乗っかれば全体の印象も違ったものになりそうです。

インストものというのは各楽器のせめぎ合いみたいな緊張感も1つの重要な要素になります。ここにたとえば、ヴィニーカリウタ、ヴィクターウッテンやマイクスターンもしくはフランクギャンバレなどが参加したらどうだろうと想定してみて下さい。楽曲という共通枠の中で、各パートに生命を吹き込まれる感じになると古賀さんならきっと想像できると思います。ということは本作品はこれが理想の形というよりは、そのセッションを実現するために聴かせるデモテープという域を出ないということになります。というわけで、今度は打ち込みという前提でも完成形として仕上がるようなアレンジと楽曲に挑戦してみて下さい。ハービーハンコックもそうやって電子楽器ならではの作品を作ったりもしていますし。ということで、素晴らしい才能をビシバシ感じるがゆえに贅沢な要望をしてしまいスイマセン。ものすごくMAX!に古賀さんの今後に期待しています。どうぞ宜しくお願いいたします(宮脇)。

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