自己PR
幼少時にピアノを始め、小学生からはピアノ弾き語りや作詞・作曲を行うようになりました。
中学校に入ってからはギター、ベースを本格的に始め、学校の友人とバンドを組んでいます。
バンド活動では同期音源の作成も担当しており、その中でDTMの知識を学び、音の奥深さに魅了されているところです。
最近は、作品に対する表現力の幅を広げたり、創作意欲を掻き立てるために、今まで触れてこなかったジャンル(ハウス、2ステップ等)にも興味を持つようにしています。
作品PR
生まれてからずっと都心で生活している僕が、自分なりに感じる東京を形として表しました。
冒頭は、新宿や渋谷など夜の都会の街並みに繰り出し始めたことを表現するため、疾走感を出し、ネオンサインが光るような街を表すため、シンセサイザーを多用しました。KeyはEm7/9です。
その後、奥渋や裏原宿など人気(ひとけ)が比較的少ないような道を表現するため、最初のKeyから転調し、重低音を中心的に意識したパートになっています。このパートでのスネアは自分が床を靴で叩きつけた音がサンプリングされています。スリリングな街の雰囲気を感じてもらえるようにしたかったためです。
再び主題のKeyに戻ります。楽器の数がだんだん少なくなり、曲が終わるのかと思わせて、三拍子になってまだ展開していく様子は、決して眠らない街「東京」を表しています。オルガンが鳴り始めるこのパートでは、時間が経ち、深夜2,3時頃の鬱屈とした雰囲気を表現しています。その後、展開が激しくなる部分がありますが、これは夜明けに向けて時が過ぎていく様子を表しています。
そして、転調します。Keyは初めのEm7/9からFm7/9に変わっています。ここでは東京の夜明けの景色と、いわゆる「桃源郷」のような現実離れした世界が重なって見えている状態を表現しています。琴の音に似せているシンセサイザーの音を使っています。
続いてBPMが速くなり始め、4ビートになる部分があります。これは丸の内などのオフィス街を表現しており、夜が明けて、人々が動き始めた様子を表現しています。最後に再び東京の人混みに巻き込まれ、激しい展開で終わることを表しました。
使用機材
- Apple Logic
- ソフト音源
- Logic付属音源
- MIDIキーボード
- YAMAHA / PSR-E463
- AKAI / MPK mini MK3
- ベース
- Sadowsky / Tokyo RJ4
- ギター
- Fendar / Made in Japan Hybrid 68 Stratocaster
- Fendar / American Acoustasonic Telecaster
- オーディオインターフェース
- TASCAM / US-2x2HR
- モニターヘッドホン
- audio-technica / ATH-SX1a
審査員コメント
演奏、mix、音色の選択、楽曲の展開、etc⋯、音楽を構成する要素の全てが非常に高いレベルで結実した作品になっています。テーマが「東京のスケッチ」ということもあってか、口ずさめるメロディや大サビなどといった、いわゆる分かりやすいパートは見当たりませんが、本作品にはそれにも勝る要素がぎっしり詰まっています。
予定調和を排したコード進行や場面ごとに切り替わる転調、複雑かつクリアに組まれたリズム群など、さまざまな工夫が凝らされているので、聴き手は飽きることなくイメージを膨らませることができます。またフレーズが奏でられると、それに対する回答が(それも他の楽器で)きちんと用意されていて、いわゆるコール&レスポンスが楽曲の中で見事に成立しています。ベース・プレイにも歌心を感じますし、ギターの逆再生のアイデアもとても効果的でした。しかし演奏の技術を見せようとする箇所は全く無く、あくまでも楽曲成立のための必要なパーツとして配置されているところに作者のセンスの高さや、本当に良い音楽を創ろうとする意志がうかがえます。
あくまでも個人的な意見になりますが、01:17からのEm7(9)ーDm7(9)の部分は、この楽曲の中でも比較的分かりやすい部分でもあるので、ここをもう少し伸ばして(あるいは繰り返して)叙情的に訴えていく、というのもアリだと思いました(現状でももちろん見事に成立しています)。
情景描写をテーマとしたインスト作品というのは、単なるコラージュに陥りやすいのですが、本作品は描写にとどまらず、音楽単体としても素晴らしい説得力がありました。今後ともセンス溢れる音楽作品を創っていって下さい。(宮脇)
賞品
- AKAI MPC Studio(MIDIコントローラー)