Ibanez社のギターに搭載されているフロイドローズタイプのトレモロユニットは、エッジ(Edge)と呼ばれる機種で、フロイドローズ(Floyd Rose)のライセンスを受けているものの、構造的には異なり各部位のサイズに互換はありません。（外形寸法的には、Ibanez Edgeの方が Floyd Rose よりやや大きめ。）

またIbanez社のEdgeは、Floyd Rose に比べて、バリエーションも多く、1986年に登場したEdge に始まり，弦のロックを行わないEdgeII，7弦用のEdge7，Edgeを再設計したLo-Pro Edge，少し遅れる形で登場したEdge Pro、Edge-Zeroなどがあります。

今回ご紹介する商品は、Ibanez 社のEdge，Lo-Pro Edge，Edge Pro向けのツールで、イントネーションの調整を容易にする便利アイテム「Ibanez EJK1000」です。本体のツメをサドルとファインチューナーの2カ所に取り付けることによりサドルが固定され、弦のテンションを保ったままイントネーションを調整することが可能になります。

メーカー	型式	販売価格
Ibanez	EJK1000	￥5,400(税込)

• Ibanezエレクトリック・ギターのうちEdge、Lo-Pro Edge、Edge Proトレモロを搭載したギター専用のトレモロ・スプリングです。上記以外のギター（トレモロ）にご使用になる際は、装着可能な場合もありますが、十分なテンションの確保が出来ない場合もございます。あらかじめご了承ください。

フロイドローズギターのイントネーション調整

フロイドローズタイプのトレモロユニットを搭載したギターをお持ちの方であれば、その弦交換がロッキングシステムを持たないギターより面倒なことをご存じかと思います。　それは弦のボールエンドを切断したり、弦の固定のためにインサートブロックを締め込んだり、同じブランドの弦であっても場合によっては、トレモロスプリングの調整を行うという一手間が加わるためです。

• 【当店でも6弦エレキギターの弦交換工賃は、500(税抜)円ですが、フロイドローズタイプの交換工賃は、800(税抜)円と手数分割り増しとなっております。】

　

しかしそれよりももっと手間がかかるのが、イントネーション（オクターブ）調整です。　フロイドローズのイントネーション調整は、各サドルを固定しているネジを緩めて、サドルを前後させ最適な位置でネジを締め込んで固定するという作業になります。　言葉で言うと簡単なのですが、サドルには常に弦のテンションがかかっているので、ネジを緩めたとたん、サドルがナット側に引っ張られて勝手に移動してしまいます。　サドルの移動を抑制するには、弦をゆるゆるにする必要があるのですが、そうすると今度はトレモロユニットがトレモロスプリングのテンションにより傾いてしまいます。　加えて、ネジを緩めるとサドルは自由に動いてしまうので、今まで合わせていた位置を目測で覚え、そこからサドルの最適な位置を絞り込む必要があり、非常に手間のかかる作業になります。

オリジナルのFloyd Roseでは、この作業を軽減するために、サドルが勝手に動かないようネジを緩めても固定する商品が発売されています。　図で示すとこんな感じで、①ツールを固定する。②サドルを固定するネジを緩める。③ツールの調整ねじを使いながらイントネーションを調整し必要に応じてトレモロスプリングの調整も行う。④イントネーションを正確に合わせたら、サドルのネジを締め込んでサドルを固定する。⑤ツールをブリッジから外して、次の弦のイントネーションを調整する。といった手順で調整を行います。

メーカー	型式	販売金額
ALLPARTS	FRT Key Intonating Tool	￥3,240(税込み)

• Floyd Rose用です。ご購入の際には、お使いになるギターがFloyd Roseであるか、ご確認ください。

　

しかし、Ibanez 社のEdge トレモロブリッジは、Floyd Rose とサイズ・形状が異なるためこの「FRT Key Intonating Tool」を使ってイントネーションの調整を行うことができません。
以前は、上の写真のような「Ibanez Lo-Pro Edge」専用ツールも販売されていたのですが、永らくカタログ落ちしていたこともあって、Ibanez Edge のオクターブ調整は非常に面倒なものになっていました。
最新のEdge トレモロブリッジ（Edge-Zeroなど）では、イントネーション調整を容易に行える機能を最初から搭載している機種も登場しているので、もうこのようなツールは不要です。
ですが、現在もラインナップされ続けている「Edge」、「Lo-Pro Edge」、「Edge Pro」を愛用しているギタリストは、「Edge-Zero」を横目で見ながら、トレモロブロックを固定するプレートを自作したり、トレモロキャビティに柔らかめのクッションを入れて、トレモロブリッジの水平を保ちながらイントネーション調整を行っていることだろうと想像しております。
しかし、今回「Ibanez EJK1000」が発売されたことにより、Ibanez Edge トレモロブリッジのイントネーション調整が飛躍的に楽になりました。

使用方法

「Ibanez EJK1000」は、ツール前部のパーツを脱着することで各トレモロに適合します。　イントネーションを調節する際は、①トレモロに合わせてパーツを取り付け、②サドルとファインチューナーに「EJK1000」のツメをそれぞれしっかりと引っかけ、③サドルをロックしているボルトを緩め、④「Ibanez EJK1000」後部の赤いノブを回してイントネーションの調整を行います。　右回しでサドルはボディエンド側に、左回しでネック側にそれぞれ動きます。　⑤イントネーションの調整が終わったら、サドル・ロック・ボルトをしっかりと締めて固定します。

その他、Ibanez トレモロブリッジ 関連商品

テフロン加工トレモロスプリング

メーカー	型式	販売価格	コメント
Ibanez	ESPR1003	￥2,700(税込)	ノーマルタイプ
Ibanez	ESPR2003	￥2,700(税込)	パワースプリング

長らく使用することによって生じてくるトレモロ・スプリングの腐食は、スプリング自体の性能の低下と、それによるチューニングの安定性低下をもたらします。
「Ibanez E-SPRING」は、表面にテフロン加工を施すことによって腐食を防ぎ、長期間にわたる快適な使い心地を約束します。　今回発売される2タイプは、お使いの弦のゲージに合わせてお選びください。　「Ibanez ESPR2003」パワー・スプリングは、主に.010-.046ゲージ等の弦を使う際に推奨致します。　.009-.042ゲージ等或いはそれ以下の細いゲージで使用される場合はテンション感とトレモロ・セッティング位置等がデフォルトと大きく異なりますので、ご注意ください。

トレモロアーム

カーボングラファイト製の超軽量トレモロアームです。

Joe Satriani、Steve Vaiとのコラボレーションで生まれた、Ultralite Tremolo Arm 「Ibanez UTA20」。　グリップ部が超軽量かつ高強度なカーボン・グラファイト製の全く新しいIbanezトレモロ・ブリッジ(*)専用アーム。羽のような軽さに加え、グリップ径を従来品より太くすることで、こまやかなアーミングのニュアンス実現が可能。　このUltralite Tremolo Armで、アーミングの新境地を体験してみてはいかがでしょうか!?

メーカー	型式	販売価格	コメント
Ibanez	UTA20	￥7,560(税込)	カーボングラファイト製 とにかく軽いです!!

• 適合モデル: Edge，Lo-Pro Edge，Edge-Pro，Edge-Zero，SynchroniZR，ZR-2。これ以外のトレモロブリッジには対応しておりませんので、ご注意ください。

お問い合わせ先

今回は、Ibanez 社のEdge トレモロブリッジのイントネーション調整を容易にする「EJK1000」を中心に、Ibanez 社のEdge トレモロブリッジ回りのアクセサリーをご紹介しました。　個人的な話で恐縮なのですが、私はIbanez社のギターを愛用しておりまして、Ibanez 5機種中、RGタイプのギターを3台所有しているのですが、その全てがEdgeトレモロユニットのため、イントネーション調整の手間が非常にかかることを実感しておりました。　記事で紹介した廃盤のIbanez調整ツールも持っていたのですが、どちらかというとLo-Pro Edge専用のため、オリジナルEdge では使い勝手が悪く、Edgeを水平に固定する自作のブロックを使ってイントネーション調整を行っていました。

今回の「Ibanez EJK1000」発売のニュースを知り、早速購入して使っていますが、Edgeトレモロブリッジなのに、サドルの位置を細かく調整できるのが本当に素晴らしいです。

最後に紹介した「Ibanez UTA20」も愛用しているのですが、こちらは恐ろしく軽く、またジョイント部がゆるむ気配がないのが気に入っています。それまでのトレモロアームは、そこそこ自重があるので、テフロンワッシャーを交換しても3ヶ月もすれば、緩んで演奏中はブラブラするようになってしまいますが、「Ibanez UTA20」はびっくりするくらい軽いのでブッシュに対するストレスも小さく、使い始めてからもう1年以上になりますが、未だに緩む気配がありません。
加えて、クリケット奏法などで、ピッキング後すぐさまアームをはじく（というかチョップ）と、当たり所が悪いと手が痛くなったりするのですが、それが全くなくなりました。
一見スチール製のアームに何か巻いているように見えますが、この部分がカーボングラファイト製です。

島村楽器イオンモール宮崎店では、今回ご紹介したアイテム以外に様々な便利グッズや工具、エレキギター関連パーツを取り揃えております。　パーツによっては、それのみでお取り寄せすることも可能ですので、お使いのギターのビスが足りない、エスカッションが破損している、トレモロアームユニットのサドル部品だけ交換したいなど、お困りのことがございましたら電話でも結構ですので、お気軽にお問い合わせください!!

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